【決算】日本ペイントHD、第3四半期は増収増益
日本ペイントホールディングス(若月雄一郎共同社長、ウィー・シューキム共同社長)は11月14日、2024年12月期第3四半期連結決算を発表した。売上収益は、中国をはじめとしたNIPSEAの主要市場での販売数量増や、円安の影響などで前年同期比12・6%増の1兆2227億4700万円となった。営業利益は、増収効果や製品値上げの浸透などによる売上総利益率の改善などで、同7・7%増の1417億5800万円、税引前利益は同6・8%増の1356億5900万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は同5・1%増の982億300万円であった。
セグメント別の業績では、日本は自動車用塗料の売上収益が自動車生産台数の減少で、前年同期を下回った。工業用塗料の売上収益は、市況が低調に推移したものの製品値上げの浸透が進んだ結果、前年同期並みとなった。また汎用塗料の売上収益も、製品値上げの浸透や販売施策が寄与したが、物価高騰に伴う消費控えや低価格製品ニーズの高まりの影響を受けて、前年同期並みとなった。この結果、売上収益は同1・8%増の1496億3800万円、営業利益は同11・3%増の139億500万円であった。
NIPSEAは、自動車用塗料の売上収益では、タイにおいて自動車生産台数が前年同期を下回ったものの、中国においては自動車生産台数が前年同期を上回ったことにより、セグメント全体では前年同期を上回った。汎用塗料の売上収益も、中国に加え、マレーシア、シンガポールなどの主要市場でも販売数量の増加で前年同期を上回った。この結果、売上収益は同15・1%増の6810億5800万円、営業利益は同7・6%増の937億5700万円となった。
DuluxGroupは、汎用塗料の売上収益が太平洋および欧州において市況が軟化した影響などにより販売数量が伸び悩んだが、円安の影響で前年同期を上回った。塗料周辺事業の売上収益も、軟調な市況の影響を受けたものの、太平洋における事業買収や2023年7月に買収完了した欧州塗料周辺製品メーカーN.P.T.s.r.l.による業績寄与により、前年同期を上回った。この結果、売上収益は同12・3%増の2988億6400万円、営業利益はインフレに伴い販管費が増加したものの、売上総利益率の改善などにより、同4・7%増の296億4200万円であった。
米州は、自動車用塗料の売上収益が、中核地域であるアメリカにおいて、主要顧客である日系自動車メーカーの自動車生産台数の回復や製品値上げの浸透が進んだ結果、前年同期を上回った。汎用塗料の売上収益も、米国経済や住宅市場の低迷の影響を受けたものの、製品値上げの浸透が進んだことやカリフォルニア州における天候不順の影響が前年同期よりも減少したこと、新規出店効果などで、前年同期を上回った。この結果、売上収益は同15・3%増の931億8500万円、営業利益は同26・3%増の69億8400万円となった。