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【決算】日本ペイントHD、 売上・営業益二桁増

日本ペイントホールディングス(若月雄一郎社長、ウィー・シューキム社長)は2月14日、2024年12月期の連結決算を発表した。中国をはじめとしたNIPSEAの主要市場で販売数量が増加したことや、円安の影響などにより、売上収益は前期比13・6%増の1兆6387億2千万円、営業利益は増収効果や製品値上げの浸透などによる売上総利益率の改善などにより、同11・2%増の1876億4700万円、税引前利益は同12・4%増の1815億2200万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は同7・5%増の1273億3700万円となった。
 
セグメント別の業績は、日本では自動車用塗料は自動車生産台数の減少で前期を下回った。工業用塗料は市況が低調であったが、製品値上げが浸透し、前期並み。汎用塗料は物価高騰に伴う消費控えや低価格製品ニーズの影響を受けたが、製品値上げ浸透などで前期並みとなった。これにより、売上収益は同0・8%増の2031億1200万円、営業利益は同1・5%増の194億4600万円。
 
NIPSEAでは、自動車用塗料はタイで自動車生産台数が前期を下回ったが、中国では自動車生産台数が前期を上回り、セグメント全体で前期を上回った。汎用塗料は、中国、マレーシア、シンガポールなどの主要市場で販売数量が増加し、前期を上回った。これにより、売上収益は同18・5%増の9143億7千万円、営業利益は同12・6%増の1242億5500万円。
 
DuluxGroupでは、汎用塗料は太平洋及び欧州で市況軟化により販売数量が伸び悩んだが、円安の影響で前期を上回った。塗料周辺事業は軟調な市況の影響を受けたが、太平洋での事業買収や2023年7月に買収完了した欧州塗料周辺製品メーカーN.P.T. s.r.l.の業績寄与で前期を上回った。これにより売上収益は同10・6%増の3985億3400万円、営業利益は同16・6%増の403億7400万円。
 
米州は、自動車用塗料では中核地域であるアメリカで、主要顧客の日系自動車メーカーの生産台数回復や製品値上げの浸透で前期を上回った。汎用塗料は米国経済や住宅市場の低迷の影響を受けたが、製品値上げ浸透やカリフォルニア州での天候不順の影響が前期よりも減少、新規出店効果などで前期を上回った。これにより、売上収益は同12・4%増の1227億200万円、営業利益は同8・8%増の77億7800万円。
 
次期(2025年12月期)は、建築用市場、グローバル自動車市場ともに前期並みに推移すると見通している。同グループは経営モデル「アセット・アセンブラー」のもと、既存事業における成長基盤を更に強化。M&Aで優秀な人材やブランドの取り込みを通じた収益の上積みによって、持続的な成長を確固たるものにしていく。
 
次期業績予想は売上収益は同6・2%増の1兆7400億円、営業利益は同5・5%増の1980億円、税引前利益は同3・6%増の1880億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は同5・2%増の1340億円を見込む。次期年間配当16円を予定。