【決算】ロックペイント3月期、 主力の売上・利益増
ロックペイント(内海東吾社長)は5月10日、2022年3月期の連結決算を発表した。売上高は前期比9・6%増の256億1100万円、利益面では営業利益が同3・9%増の16億4700万円、経常利益が同3・8%増の22億4500万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同17・5%減の11億7800万円であった。
同期では、新型コロナウィルス変異株のまん延、エネルギー価格の上昇、半導体をはじめとするサプライチェーンの混乱、さらには材料コストの高騰や、需給ひっ迫により入手困難に陥る原料もあり、厳しいビジネス環境が続いたが、生産効率の向上などによる収益力の強化に努めると同時に、サーキュラーエコノミーの実現に向けたサステナブル経営の推進に努めた。
製品分野別では、家庭用塗料以外の分野全てで増収となった。車両用塗料分野は、昨年のコロナ禍による需要減に回復傾向が見られる中、環境配慮型塗料で自動車補修用塗料市場および大型車両や産業機械等のシェア拡大に努め、売上高は前年同期を上回った。
建築用塗料分野では、改修・リニューアル市場に重点を置き、高付加価値製品の拡販や塗替需要喚起の営業活動に努め、各企業での感染対策による人流の回復や延期されていた施工物件の再開が重なり、売上高は前年同期を上回った。
工業用塗料分野では、工業用塗料はコロナ禍で需要家の生産調整があった前年からの反動増により、環境負荷低減製品の粉体塗料を中心に販売が回復。また、ラミネート用接着剤は食品包装材向けが堅調に推移するとともに、リチウムイオン電池等の産業資材向け販売が拡大。これらの結果、売上高は前年同期を上回った。
家庭用塗料分野では、主力エアゾール製品は需要が戻りつつあるが、ホームセンターを中心とした小売店で昨年同時期の「巣ごもり需要」を補うには至らず、売上高は前年同期を下回った。
なお、次期の業績見通しでは、売上高は同7・4%増の275億円、営業利益は同15・0%減の14億円、経常利益は同19・8%減の18億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同10・3%増の13億円を見込んでいる。