【決算】ロックペイント、売上高増も減益で着地
ロックペイント(内海東吾社長)は5月10日、2023年3月期の連結決算を発表した。売上高は前期比8・0%増の276億6900万円、営業利益は同45・6%減の8億9500万円、経常利益は同31・9%減の15億2900万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同15・4%減の9億9700万円であった。売上高は販売価格の改定効果もあり全事業分野で増収となった。一方で、利益は原料コストや固定費の上昇が利益を圧縮している。
製品分野別では、車両用塗料分野は、本格的な市況回復には至らなかったもののコロナ禍による需要減に一定の回復傾向が見られる中、水性塗料シリーズと環境配慮型塗料で自動車補修用塗料市場および大型車両や産業機械等のシェア拡大に努め、売上高は前年同期を上回った。
建築用塗料分野では、人流を含めた経済回復が見られてきたことに加え、改修・リニューアル市場に重点を置き、高付加価値製品の拡販や塗り替え需要喚起に努めた営業活動を実施した結果、高付加価値製品を中心とした塗料の採用が増加し、売上高は前年同期を上回った。
工業用塗料分野では、工業用塗料は半導体不足の影響を受ける分野はあったものの、環境負荷低減製品の粉体塗料を中心に販売活動を実施。また、ラミネート用接着剤は食品包装材向けが堅調に推移するとともに、リチウムイオン電池等の産業資材向け販売が拡大した。これらの結果、売上高は前年同期を上回った。
家庭用塗料分野では、主力エアゾール製品の企業関連への出荷が回復基調にあり、売上高は前年同期を上回った。
2024年3月期の通期業績予想は、売上高は同3・0%増の285億円、営業利益は同0・5%増の9億円、経常利益は同11・7%減の13億5千万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同20・3%増の12億円を見込む。