【決算】神東塗料、利益面で損失計上
神東塗料(高沢聡社長)は5月15日、2023年3月期の連結決算を発表した。売上高は前年同期比0・5%減の190億3800万円、営業損失は12億300万円(前年同期は営業損失3億4300万円)、経常損失11億4600万円(同経常損失2億4300万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は、不適切行為に関連する費用の計上などにより18億600万円(同親会社株主に帰属する当期純損失18億2500万円)となった。
分野別にみると、インダストリアル分野の売上高は、粉体塗料分野において産業機器、鋼製家具向け出荷が回復基調で、工業用塗料分野においても産業機器向け出荷が好調に推移したものの、水道資材向け出荷は不適切行為問題の影響で低調に推移したことなどから、ほぼ前年並みとなった。
インフラ分野の売上高は、建築塗料分野において子会社の工事売上は前年を上回ったものの、JIS認証取り消し・一時停止を受け対象製品の出荷が低調に推移したことや、防食塗料分野において、原料調達難等で一部製品の出荷が大きく減ったことなどから減少した。
自動車用塗料分野は、国内向けは自動車部品の調達難による顧客の生産への影響はあったものの、海外向けの自動車生産が大きく回復したことなどから売上高は増加した。
その他塗料分野は、主に軌道材料製品分野において、整備新幹線の工事が完了したことなどから出荷が減少し、売上高は減少した。
塗料事業合計では、出荷数量は前期との比較で減少となったが、子会社の工事売上の増加や製品価格改定による一定の成果もあり、売上高はほぼ前年並みの水準となった。
2024年3月期の通期業績予想については、原料価格の動向が不透明なため現時点で業績予想を合理的に行うことは難しく、開示が可能となった時点で速やかに開示するとしている。