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インタビュー、三共理化学 冨増弘社長

三共理化学 代表取締役社長 冨増弘氏


ヒット商品開発に邁進する体制作り

 今年1月1日付で三共理化学の代表取締役社長に就任した冨増弘氏。座右の銘に‟信賞必罰”を掲げ、グローバルに革新的なソリューションの提供を目指したいとする冨増社長に話を聞いた。

――まずはこれまでの経歴について教えてください。

 理系の大学を卒業後、三菱製紙で開発部門に在籍。その後、米国のインターナショナルペーパーで紙・パルプ、包装材料や化学品の研究開発を経て、三菱製紙へ戻り、米国販売子会社の経営を行った。そして、業績不振が続いていたドイツ子会社を事業再構築し、半年で黒字化した後、帰国して継手やバルブ等の販売を行うスウェージロック・ジャパンで7つの販売会社統合後に22カ所の事業所を2カ所に統合するなどして経営を効率化。今回、縁あって三共理化学の社長に就任した。

――社長に就任されて約2カ月が経ちましたがいかがですか。

 当社は1930年創業で、長くやってきた実績から良いものがたくさんあるので、それを元に新しいことを取り入れ、「伝統と革新」の融合を図りたいと考えている。

――具体的にはどのようなことに注力されますか。

 3~5年でビジネスをグローバルに展開し、「革新的なソリューション・プロバイダーになる」ことを目指している。現在ビジネス拠点となっている米国、中国やベトナムのほかに各国でビジネスを広げていきたい。

――国内に向けての施策はどうされますか。

 約3000社のお客様のニーズに対して、新しい製品やサービスを開発し提供して行きたい。これまでは小さな研究開発をコツコツやって来たが、今後は売上を大きく伸ばすようなヒット商品を開発して行きたい。そのために、まずは社内にマーケティング・グループを作り、市場調査を進めていく。

――研磨が塗料・塗装業界で躍進するために必要なことは。

 研磨と塗装は切っても切れない関係だと思う。また、塗料業界はハイテク化が進んでいると感じるので、追いつきながら共同開発等を一緒に進めていければと考えている。情報交換して、問題を解決していけば、機能性の高い研磨材ができるだろうし、塗りやすいあるいは剥がしやすい塗膜もできるのではないか。
 他にもグラインダーやマスクなどのメーカーとコラボしながらセット販売するなど、アライアンスを確立していきたい。

――社員の皆さんにはどのようなメッセージを伝えられましたか。

 社としては環境・安全・衛生を第一に考え、親会社のカーライルが目指すESG経営を実現していく。個人的には、老若男女を問わず、やる気のある人を積極的に活用し、これまでに自分が培ってきたことを生かし、三共理化学の伝統も大事にしながら、明るく、楽しい会社にしていきたい。

――ありがとうございました。