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インタビュー、三和ペイント 木原史貴社長

三和ペイント 代表取締役社長 木原史貴氏


ワンストップサービスを確立

三和ペイント(大阪府・木原史貴社長)は、塗替え・戸建て改修工事を専業とし、創業から一貫して顧客ニーズ・見込み開拓からマーケティング、そしてセールス、施工、アフターフォローといったワンストップサービスを一歩一歩確立してきた。設立14期目を迎えた同社の木原社長に話を聞いた。

―見込み開拓から一貫した事業展開は大変なことだと思いますが。

私どもの改修工事に限らず、建築分野は元請け、下請け、孫請けという昔から変わらない業界構造なので、例えば住宅の改修となれば、大きく分ければ外と中になり、細かく分野を分けていけばいろいろなサービス内容がある。その中で、当社は創業から経営資源を集中させ、リフォームという事業ドメインを広げるのではなく、塗装工事に特化することを深掘り、業務徹底してきた。

―具体的にはどのような業態で進めていますか。

特にメイン商材である外壁や屋根で使用する塗料は、すべて大手塗料メーカーのOEMで取り揃えている。色味的には、外壁でおおよそ33色、屋根は13色で、お客様のニーズに合わせて提案する必要があるので、プレミアム、ハイグレード、スタンダードというグレードを用意している。

間違いない塗料メーカー様にご協力いただき展開しているが、そのメーカー様と当社をつないでいただいているディーラー様のバックアップがとても大きい。一番は在庫を担保いただけること。在庫を確保できないと、大きなメーカー様と当社の規模でのOEMとなった場合、製造ラインのコントロールが非常に難しい。現場への塗料供給が遅れがちになるところを、ディーラー様の方で大量の在庫を抱えていただくことで、全国に遅延なくスムーズに供給できていることに感謝しかないところだ。

―業界の状況を見たうえで、貴社の事業はどのように進めていますか。

戸建てリフォームの観点では、圧倒的に改修の工事が7割を占めている。さらに見ていくと大型や小型の建築物がある中で、改修のマーケットは5千戸ほどの市場規模があるのではないかとみている。そのような中で、各社が競合しながら全体の市場が成り立っていると思うが、当然我々の事業は地域密着軸である。店舗を水平展開するに当たり、アフターフォローまでを考えると、足を延ばしても商圏は50キロメートル。そして、当然ながら地域で人口が密集している地域もあれば、閑散としている地域もある中で、まだまだ日本全土をカバーできているかというと、全くカバーできていない。これにはマンパワーを今後もかけて、水平展開していきたいと考えている。そして基盤となるのは人ということになる。創業から一貫して採用と育成に注力してきたので、この2軸でこれからも力を入れてやっていきたい。

―コロナ禍の影響はいかがでしたか。

弊社も初めての経験でさまざまな対策を実施した。しかし、一気に感染拡大した4~5月の活動においてエネルギーが落ちた。お客様のニーズとしても近々塗り替えるつもりはあるけれど、わざわざ今ではないだろうという。しかし、年間トータルで考えると、約90%といったところであろうか。言い換えれば12カ月を10カ月でやったという感じか。そもそも外回りの工事が主になるので、飲食や旅行業までの深刻なダメージはなかった。

―改修部門の今後をどのように見ていますか。

日本の建物の売却は、諸々を考えたとき、平均で30年ぐらいのスパンだと思う。そういう観点から考えると、この先40~50年はマーケットがなくなることはないと見ている。そういった中で、我々の業界に限ったことではないが、事業ポートフォリオを強化しようとか、違う業種へ新規参入しようとか、今後もさらに加速していくだろう。各社がさまざまな形で鎬を削っていく、そんな業界になっていくのではないかと思っている。

―最後に貴社において、今後大切なことはどのようなことでしょうか。

商材がだいたい10~15年というスパンなので、なかなかお客様とのタッチポイントが少ない。私たちは「toCビジネス」のため、タッチポイントを増やし生涯顧客価値を高める必要があり、事業サービスを開発している。そのために経営理念を軸に、お客様への誠実な関わりを大切にし、ファンを作り続けていくこと、ロイヤルカスタマーに対して住環境の安心をどう提供するかにこだわっていきたいと考えている。

―ありがとうございました。