マンション修繕・管理4団体、適正取引申し合わせ
マンション計画修繕施工協会(=MKS、坂倉徹会長)は記者懇談会を11月14日午後4時から、東京都港区新橋のAP新橋虎ノ門で開き、NPO法人全国マンション管理組合連合会、日本マンション管理士会連合会、マンション管理業協会との4団体連名で「マンション計画修繕工事における適正取引に関する申し合わせ」を発表した。
マンション管理組合から修繕工事の設計を行う業務を受託し、施工業者からバックマージンをとるなど、割高な工事費などで管理組合に実害を与える悪質設計コンサルタント(設計事務所)問題がマスコミなどで取りざたされている。
これを受け、施工業およびマンション管理組合、マンション管理士、マンション管理業の4団体が会員・構成員への適正取引の指導や社会的信頼の確保などを申し合わせたもの。また付帯事項として現状、マンション改修設計コンサルタントの全国団体が存在しないことから、コンサルタント側の全国的な連絡会(仮称:全国マンション改修設計コンサルタント連絡会)の設立も要望した。
なお4団体は4月に設置し取り組んできた適正取引推進協議会をマンション関係団体連絡協議会に改編し連携、情報共有などを継続する。悪質コンサルタントによる不正取引には国交省も憂慮。1月には「設計コンサルタントを活用したマンション大規模修繕工事の発注等の相談窓口の周知について」を関係団体に通知していた。
席上、川上湛永全管連会長は「多分20年位前からこのようなことが行われていたのではないか。管理組合さんには危機感を持ってもらいたい。発注後の情報が得られないため、意外に被害者意識がなく、損失をきたしたことを丁寧に説明していかなければならない」などと語った。坂倉会長は「きちっとした業者としてモラルを守りながら適切な仕事をし、適切な契約を行っていく方向で進めていく」などと述べた。
申し合わせの内容は次の通り。
「1.当協議会参加団体は会員社または構成員に対しての適正取引に関する指導を行う。1.当協議会参加団体は信義誠実の原則に基づき社会的信頼を確保する。1.当協議会参加団体はマンション関係団体連絡協議会として改編し、今後も情報の共有、連絡を継続する。付帯決議:今回オブザーバー参加して頂いた改修設計コンサルタント団体、設計事務所の方々を始めとして、マンション改修設計コンサルタントを業とする方々に、今後の連携、情報共有を目的として全国的な連絡会の結成を本協議会として要望する」