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IPCO、 カンファレンス5年振り開催

国際工業塗装高度化推進会議(IPCO・坂井秀也理事長)は、5月31日午前11時から東京都江東区青海の東京都立産業技術研究センターで「第3回IPCOカンファレンス」を開催した。テーマを「これからの工業塗装をひもとく~CNと人材確保の具体策~」とし、約100人の参加者を集めた。行政の動きから工業塗装のトップランナーによる最新の取組み事例を交えた講演を行った。

100人もの参加者が集結


冒頭、坂井秀也理事長があいさつに立ち「本日は、工業塗装に関連する有益なケースが多く、オープンな話をしていただく」等、昨今の工業塗装を取り巻く環境を述べ、開催意義を説明し開幕となった。
 
最初の講演で経済産業省製造産業局素材産業課課長補佐・井出大士氏が「GX実現に向けた素材産業の現状と対応」を講演。統計資料から塗料・工業塗装の外観を説明し、2023年は円安環境も影響し、ドルベースでの輸出は減少したことで貿易収支は大きく減少している。中国は2011年から貿易収支が黒字化、貿易収支がドイツに続き2位となっている等の分析を行い、交易関係の日本のポジションを述べた。
 
続いて東京都立産業技術研究センター研究開発本部機能化学材料技術部 部長の瓦田研介?氏が「サーキュラーエコノミー(CE)における中小企業の課題と都産技研の取組み」について話した。まず、CEについての考え方やCNの関係を述べた後、塗料・塗装分野のCE塗装事例を紹介。既に粉体塗料の回収リサイクルや廃塗料の資源化もCEであると強調した。
 
次に具体的な工業塗装の取組みの事例講演に移り、「中小企業が取り組むカーボンニュートラル計画策定と中小機構による支援施策及び実施事例について」を花菱塗装技研工業管理部次長の吉野正樹氏と中小企業基盤整備機構中小企業アドバイザーの馬場英樹氏が登壇した。吉野氏の講演では、CNの活動報告を具体的な自動車部品の塗装ラインの数値を公開し発表した。吉野氏はCNの取組みにより、会社内部が丸裸にされ、見え隠れしていた改善余地の内容が見えてきたと言う。具体的に年間4・5万tのCO2排出量の削減に繋がったと報告した。
 
続いて「塗装工場のためのDX・AI技術活用による省人化手法と実践」をヒバラコーポレーション代表取締役社長の小田倉久視?氏が同社のDXの取組みを交えて同社のDXサービスを説明した。人材での講演を行ったのが「なぜ、人材確保や育成は難しいのか?その原因と改善の秘訣」をテーマに筒井工業の代表取締役社長の前島靖浩?氏が同社が人材確保した時代を経て現在成功している同社の取組みを述べた。
 
最後の講演では、「工業塗装で取り組む環境対応」を戸﨑産業代表取締役戸﨑寿人氏が担当し、GXリーグの参加の経緯や自社の環境の取組みを発信した。