不適格業者問題受け、改修コンサル団体設立
不良不適格な改修コンサルタント問題への対応として、「一般社団法人マンション改修設計コンサルタント協会(MCA)」(貴船美彦理事長)の設立発表会が昨年12月20日午前11時半から、東京都千代田区六番町の主婦会館プラザエフで開かれた。
冒頭あいさつで貴船理事長は「マンションのストックは一時期の20倍、30倍とどんどん増えてしまっている。それに対し私共のコンサルタントの世界は、今までは各設計会社が自助努力してきたが、ある程度の業界としての集まりがないとこれ以上の高度化や改善もしにくい。今後の未来に向けては非常に大きなスタートと考えている。業界の不適切なコンサルタントの存在が指摘されている。これは業界そのものの信頼を失いかねない大きな問題だ。この団体の存在を通してこれらの問題の是正と業界の発展やマンションの住民のためにコンサルタント業を貫くための礎に業界がなっていかなければならない」などと決意を述べた。
MCAの設立は昨年11月9日。MCAとしては今後、施工業者からバックマージンを取るような悪質業者の一掃や不正を防ぐには統一的な契約書や業界標準コンサルタント費用の策定も必須なため、倫理委員会や標準契約書検討委員会、標準コンサルタント費用検討委員会を急ぎ立ち上げる。改修技術の確立を目指す技術教育検討委員会や親睦推進委員会も作る。
発表会後の懇親会には眞鍋純国交省大臣官房審議官や坂倉徹マンション計画修繕施工協会会長らも駆けつけてあいさつし、発足を祝った。全国統一的な改修コンサルタント業の業界団体がなかったことも今回の不祥事の一因とみられており、全国的に多数の会員を集め改修コンサルタント業の信用回復の基盤となり得るかどうかが注目される。
同協会の所在地は東京都千代田区神田錦町3~21(℡03・6804・2513)。役員体制は次の通り。
▽理事長=貴船美彦(翔設計)▽常任理事=貴船美彦、岡俊英(T.D.S)、辻康昭(東京建物リサーチ・センター)、深間淨治(神奈川建物リサーチ・センター)、北尾健人(S&Bパートナーズ設計)▽理事=外山裕一(翔設計神奈川)、渡邊一之(オフィスレコン)、大西正人(アワーブレーン環境設計)、古川信之(大阪建物リサーチ・センター)、竹内明(改修設計)