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経済産業省、洋上風力産業の人材育成

経済産業省は、洋上風力発電に関わる事業者が新たに立ち上げる「洋上風力人材育成推進協議会(ECOWIND:Education Council for Offshore Wind)」と連携し、ECOWINDが行う産業界と教育・研究機関とがタッグを組んで推進する人材育成活動を支援していく。
 
政府は、洋上風力発電について2030年に10GW、2040年に30~45GWの案件形成を行う目標を掲げている。また、これまで、港湾法および海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律(再エネ海域利用法)に基づく発電事業者の公募を複数回にわたり実施しており、港湾法に基づく案件の一部は既に商用運転を開始している。
 
一方で、今後、各地で立ち上がる洋上風力発電所の建設工事のほか、数十年にわたり運転を行う発電設備の維持管理などの面で、人手不足が見込まれ、人材の確保および育成が大きな課題である。
 
同省では2022年度から、洋上風力に関する専門知識を学ぶためのカリキュラムの作成や専門作業員を育成するための訓練施設の整備に取り組む教育・研究機関および事業者等への支援を行ってきた。裾野の広い洋上風力産業において、人材育成を進めるための枠組みを産業界一丸で立ち上げることを呼びかけ、今回、事業者が共同で「洋上風力人材育成推進協議会(ECOWIND)」を立ち上げるとともに、今後、このECOWINDの活動として、産業界と教育・研究機関とがタッグを組んで人材育成に取り組んでいく。
 
具体的には、ECOWINDに参画する企業および教育・研究機関と協力して、洋上風力に関わる専門分野のスキルを整理・体系化。そのスキルごとの基礎知識や実務上の要点を分かりやすく解説する副読本を2024年度中に作成する。さらに、これまでに補助事業で支援したり、今後支援する各地の取組みと、ECOWINDが実施する学生と企業を繋ぐ活動を橋渡しする。
 
また、国立高等専門学校機構(高専)では、「高専発!Society 5.0型未来技術人財育成事業」として、次世代の基盤技術となる分野を対象に、人材育成の到達目標やスキルセットの策定、教材の開発といった教育パッケージを構築する取組みとして「COMPASS 5.0(次世代基盤技術教育のカリキュラム化)」を、産業界との産学連携により進めている。
 
2024年度からは、新たにCOMPASS 5.0の対象分野として、洋上風力に関わるエネルギー分野が追加。今後、カリキュラムの策定などの具体的な検討を進める拠点校が選定される予定である。