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近畿ブロック会、お米マイスター講演

日本塗料商業組合近畿ブロック (大江政二ブロック長)は、第46回近畿ブロック会を8月21日午後1時30分から京都市下京区東塩小路町のキャンパスプラザ京都で開いた。2府4県のほか日塗商本部からなど、過去最高となる40人余りが参加した。京都支部がホストとなる開催は5年ぶり。
 

2府4県から過去最高の40人超が参加


あいさつに立った近畿ブロック会長の大江政二氏は「今日は、塗料マイスター制度の原点となった『お米マイスター』の五つ星を取得しており、その知識と技術をもって売上げを10倍にし、名を広めた社長にお話していただく。当会のマイスター制度を育てていくにあたっての模範となるだろうし、同じ流通業としてもお手本になるだろう。マイスター・スタンダード合格者に多く聞いてもらいたい内容でもあり、『塗料マイスター制度』を業界関係の人にも知らしめる絶好の機会としたい」と述べた。
 
今回の近畿ブロック会では、お米の専門的な技術や知識のプロフェッショナルを認定する資格制度「お米マイスター」(日本米穀商連合会が運営)の最上位五つ星を取得している橋本隆志氏(八代目儀兵衛代表)による講演会が催された。お米マイスター制度は、日本塗料商業組合が昨年度スタートさせた「塗料マイスター制度」の手本となっている。
 
講演では、米穀商と塗料販売業は、流通業として似た環境下にあり、同氏の積極的な事業展開と、それを支える経営哲学が披露され、参加者に良い刺激を与えることになった。講演の内容は、①お米業界の歴史、②八代目儀兵衛について、③経営哲学。同氏は市場がシュリンクする中での米穀商のあり方を模索。日々研究を重ね、お米の目利き力・独自の低温精米・奥深きブレンド技術・こだわりの炊飯技術を磨いてきた。自身の考え方と合致することからマイスターを受検。現在、社員教育の一環として、入社1年以内に「三つ星」の受検、「五つ星」にあたっては、1回の受検に8万円を要することから、社内での審査を経てから受検する形を採用している。
 
事業においては、価格競争のレッドオーシャンから、お米を食べない人にも通販ギフト用として購入してもらえるブルーオーシャンへ、ほかにも料理に応じた専用米、料理を楽しむコンセプトづくり等、BtoBからBtoCへなど、自らの強みを活かしつつ違う業界に軸をずらしてきた営みを紹介した。さらには飲食事業、業務用事業、海外展開、大手企業との連携などにも取り組んでいる。
 
同氏は、自身の哲学を「お米の軸を残し、売り方・見せ方を変える。つまり、心変えずしてカタチを変える、です。軽率に乗りかえるのではなく、掘り下げることでシーズが見つかります」と述べ、最後に、これからの時代に必要なこととして「アナログとデジタルの両軸を回すこと。職人仕事をデジタルへ、アナログのおもてなしをデジタルへ、が勝ち残るヒントではないでしょうか」と結んだ。

当日はそのほか、日本塗料商業組合理事長の中山保幸理事長からは、10月に全国理事会を仙台で開催を予定しており、多数の参加を呼び掛けた。 
 
情報委員会の青山茂委員長からは「塗料ナビ」プロジェクトの進捗状況が示され、「今すぐ使える生成AIの活用例」と題して、生成AIの体験デモンストレーションが行われた。第17回展示会「これ知っとく展2024」は、10月17日に大阪産業創造館で開催予定。最大23社が出展し、近畿ブロック会のブースも用意する。次回近畿ブロック会は 奈良支部がホストとなり、2月中旬から3月の開催で調整する。
 
最後に、大江近畿ブロック長が会の現状と今後について言及。近畿ブロック会は有志の社店が集まり、ブロック制の先駆けであった等の歴史を振り返り、3回目の集まりの際に、基本理念やビションを定めたとあり、利益率の改善・共通利益の改善・分科会、Kプロジェクト(小売販売促進プロジェクト)を発足させ、現在もその精神を引き継いて取り組んでいるが、今後のあり方や運営方法について改めて各支部長と方向性の話しを11月下旬に催したい、と述べて締め括った。