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GO!GO!トンネルアートパート16 2022・「ジャックと豆の木」が完成

現代美術を愉しもう塾(蓬田理恵子塾長)主催、吹田市・吹田市教育委員会後援の「GO!GO!トンネルアート・パート16 2022・ジャックと豆の木」が、吹田市江坂2~51の名神江坂遊園内において7月9日から制作が始まり、8月21日に描画が終了、同27日の保護剤塗布をもって完了した。完成式は昨年に続くコロナ禍により参加者と保護者、関係者で行った。

このトンネルアートは平成19年から毎年14年間続けてきたが、令和2年はコロナ禍によって中止を余儀なくされた。昨年は感染防止策の万全を講じて再開。今年はトンネルではなく高速道路橋脚の遊園内で第16回目の描画のワークショップを行った。毎年若手アーティストが子供たちに制作指導を行い、和気あいあいの雰囲気で活動は続いてきた。日本ペイントは描画壁下地剤シーラー、水性ペイントや描画壁を保護するクリヤーを提供し、今年はボランテイアを派遣した。

今回は絵筆が古くなったことや、低学年用のチューブ入り絵の具が不足して苦労したという。今後は関連業界からの協力をお願いしたいとのことである。

これまではトンネルアートによって壁画の周囲が明るくなり、付近住民から「安全・安心と住環境美」に貢献していると喜ばれていた。アートの素晴らしさを実感できるこの催しが是非来年以降も続くことを期待したい。

描く場所を担当して、何人もの子供たちにより完成させる壁画

 

『トンネルアートを試みて16年が過ぎました』  現代美術を愉しもう塾 塾長 蓬田理恵子 より

本塾は、平成17年度吹田市の「まちづくり市民塾・現代美術を愉しもう塾」発足から現在に至り、人間性豊かな生活の実現ため、アートを通じて自他を啓発し相互の交流を深め、街をより楽しい町にすることを目的として活動をしています。

その目的を達成する為には三本の基本柱があります。
アートを通じた交流・街角のアート探索・アートを通じて新しい都市空間の創生です。
その三本すべてを含むのが平成18年からのトンネルアート活動です。

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以下に活動10年目、「塾だより第8号」の文章を引用します。

山あり谷あり、海に魚、街に人、命の樹には花が咲き、鳥が歌い、空には虹がかかりUFOが飛ぶ、今年で10年目を迎えるトンネルアート。いったい何人の子ども達が集い、それぞれの夢を描いたのでしょうか。

戸惑いながら壁に向き含い、いつしか木にとまる蝉のように壁面と一つになって、絵筆と壁が一緒に呼吸をしているかのように、次々と夢を形と色にしていく子ども達の後ろ姿。

私たちは自身の生まれた街、育った町、そして家族と暮らしていく町その町のどこかに、心の拠り所を見つけ何かしら足跡を残こせたら、日々の暮らしはどんなにか心豊かな愉しいものになるのではないでしようか?

トンネルアートに6歳で初参加した子ども達は、今年16歳になります。後2年すれば選挙権が与えられ大人になります。町に心の拠り所を持ち、自身の足跡を暮らしの場で辿ることが出来る大人は、地域のこと、社会のことをしっかり考え行動する大人になってくれることでしょう。

トンネルの壁に子どもたちの描き出す「ゆめ」は、私たちの希望や期待の形や色なのだと、年を重ねるごとに想いも深く重ねています。今年もまた、盛夏さなかの作業を汗と絵具にまみれながら、彼らの描く「ゆめ」未来への希望を活動の力として、子ども達と愉しく過ごしてまいります。

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この思いは16年目を終えた2022年9月の今も変わりません。

トンネルアートに6歳で参加した子供は、22歳になりました。アニメ制作に従事する者、美大に通う者、道は様々ですが社会の構成員としてこの町で暮らしています。

その人たちと会う機会を見つける事はなかなかできませんが、その保護者兄弟、地域の方々からの消息をお聞きすることはあり、それは塾生一同の充足感と明日への意欲に繋がっています。

16年はあっという間の、短いようなしかし長いような、一口で言い尽くせない時空であったように思います。

我々の思いを具体化する為には様々な条件があり、それをひとつひとつクリアしていかねば実現しません。その条件の説明には、オリンピックのシンボルマーク五つの輪に例えてお話しすることがあります。

1、我々塾の発案と活動力、2、資金に係わる支援と協力、3NEXCO及びJR西日本の理解と承諾、4、当該行政の理解と承諾、5、地域と参加児童と保護者の理解と協力

この五つの輪が瞬時に組み合わないと実現しない体力の必要な活動であると思います。

今年も沢山のご支援ご協力を頂きました。日本ペイントさんからは2日間のボランティアにも来ていただいて、コロナ禍でスタッフが不足しているときに助けられました。

毎年毎年、子ども達のひたむきな目に背中を押され、何方かに何かを助けられ、16年間も続けて来れたのは、ひとえに皆様のご支援ご協力のお陰です。深く感謝申し上げます。

こどもの「夢」は大人の「希望」

今日の夢と明日の希望の架け橋の下はトンネル

これからもどうぞ、よろしくお願い申し上げます。