ACPOC2024、日本で開催
塗料・塗装による防錆防食の国際会議ACPOC( Advances in Corrosion Protection by Organic Coatings)が9月16日から4日間、千葉県野田市山崎の東京理科大学野田キャンパスで「有機被覆による腐食防食における進歩」を主テーマに開催された。
日本での開催は1997年に続き2回目。5カ国(イギリス、イタリア、デンマーク、ベトナム、日本)から50人近くが集まり、27件の口頭発表、8件のポスターセッションが行われた。
主催は日本電気化学学会、共催はEFC(ヨーロッパ腐食防食連盟)。協力はスガウェザリング技術振興財団、東京応化科学技術振興財団、日本パーカライジング、INPEX、大日本塗料であった。3日目のエクスカーションでは、浅草散策・隅田川巡りを楽しんだ。
実行委員長には東京理科大学の板垣昌幸教授、共同実行委員長には英国・マンチェター大学のStuart B Lyon教授が、また国際会議を推進するうえで重要な事務局として、同じく東京理科大学の近藤剛史教授が務めた。
近藤教授によれば「27年前に本学でACPOCを開催した際の事務局を務められた湯浅真名誉教授と田邉弘往客員教授により、いまから2年ほど前に今回のACPOC開催が提案された。それ以来、長い時間をかけて実行委員会にて準備を進めてきた。さまざまな方にご支援を賜り、また多くの参加者を得て、まずは無事に会期を終えることができたことに事務局として安堵している。ACPOC2024では、国内企業から多くの研究者が参加し、活発に議論、交流している姿を見て、当業界の益々の発展が期待できると感じた。今回の会議が海外との連携、企業間の連携、大学‐企業間の連携など、当業界における新たな繋がりのきっかけになったとすれば、我々としてもたいへん嬉しく思う」と振り返っている。
今回、海外からの発表は、イギリスのマンチェスター大学(4件)・スウォンジー大学(2件)・ノーザンプトン大学(2件)、デンマーク工科大学(2件)、イタリアのトレント大学(2件)、ベトナム熱帯技術環境保護研究所 (VITTEL) (2件)であった。
日本からは国立物質・材料研究機構、電力中央研究所、消防庁消防研究センターといった公的機関から、大学・専門学校からは横浜国立大学、東京工業大学(現・東京科学大学)、芝浦工業大学、旭川工業高等専門学校などが、また塗料メーカーのほか日本製鉄、日本パーカライジング、INPEXなどが参加、発表した。塗料ユーザーからは「塗料・塗装・塗膜」についてもっと知りたい、勉強したいとの声が聞かれた。