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アルパ、大規模貯水槽が必要ない廃水処理システム

アルパ(大阪市)の「高濃度廃液(廃水)処理システム」は、化学工場や食品加工工場、染色・塗装工場など向けに開発された装置である。汚泥が出ない、大規模貯水槽が必要ない、ランニングコストが安価で回収が早いという特長がある。

 コア技術は、特殊セラミック電極を使用した「電解技術」である。難分解物質や高濃度廃液処理に優位性を持っている。従来産業廃棄物として廃棄された廃液も、電解技術がゼロエミッション化を達成する。特殊セラミック電極は、一般的な白金電極と同条件で比較すると約34倍の耐久性があり、メンテナンス費用を抑え長期使用を可能とした。

電気分解装置

 

もうひとつのコア技術は、「CC触媒」と熱分解による賦活再生処理である。CC触媒とは1800℃以上で焼結させた多孔質セラミックに活性炭を担持させた触媒である。電気分解処理との組み合わせにより、分子量の小さい物質も吸着する。吸着・濾過後のCC触媒は、900℃の熱風で賦活再生処理し、繰り返し使用でき再利用が可能でランニングコストを大幅に削減する。その他の特長は、電解スクラバーによる臭気対策を行っているため臭気を抑えることが可能である。装置のモジュール化が可能で、生産量や水質に応じて設備の拡張・縮小に対応できる。

また、熱分解炭化装置『PWCD』は、廃プラスチック、廃木材、紙・布など、有機物由来の廃棄物を、炉内温度300℃~1200℃で熱分解する。最大の特長は、廃棄物を炭(炭化物)に変換して燃料や活性炭として再利用ができ、廃棄物を全く発生しないことである。熱分解時は酸素濃度コントロールが行われため、焼却処理でなく熱分解処理として、焼却炉設置に関する規制に該当しない。塗料・塗装関係で発生する廃塗料や塗装スラッジの処理に採用すれば、廃棄物が出ないので産廃業者への委託が不要になり、委託費用を抑えることができる。