塗装技術協会、 塗料・塗装研究発表会を開催
日本塗装技術協会(工藤一秋会長)は、第37回塗料・塗装研究発表会を3月5日10時より、オンライン配信で行った。一般講演の研究発表は全10プログラム。塗料原材料1、分散1、塗料1、下地工程1,塗装2、塗布1、塗膜検査2、調色1の分野において発表が行われた。発表会に先立ち、工藤会長があいさつを行い「11年前の発表会当日、大震災が発生し、無力感を感じた。しかし、その後復旧・復興がはじまり、社会の基盤になる技術が必要だと痛感した。塗料・塗装技術においても今後の安全、安心につながると確信している。 予測できない社会情勢にある中だが、我々は技術を前に進めることが重要だ。コアな技術を持つことが欠かせない。正しい情報収集で事実を知り、本質を考える。そうしたことで新技術が生まれていく」と述べた。
特別講演には、「化学の目で見たCOVID‐19~未曽有のパンデミックの克服に向けて~」を東京大学先端科学技術研究センターの小宮山眞名誉教授が発表した。直接専門ではない人でも分りやすい内容に徹し、ウイルス変異株の誕生機構を解説した。「新型コロナウイルスの感染者数の増減は一進一退であり、関連の基礎情報の日頃からの蓄積が必須で間違いない」と話をまとめた。研究発表では、自動車関連技術が多く発表され、コニカミノルタからは、「トンネル型 自動車塗装欠陥の検査装置の開発」の中で、生産ラインを動かしながらリアルタイム測定が可能になったことを発表した。人員不足、品質の安定化に繋がるとしている。また、トヨタ自動車からは、「水性3ウェット用空調緩和中塗りの開発」において、塗装工程におけるCO2排出の多くを占めるブース空調に着目し、より幅広いブース温湿条件にて塗装可能な中塗り塗装を開発したと発表した。既に、2021年9月に高岡工場に採用済みとなっており、今後は国内工場のみならず、海外展開も視野に入れているという。