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次マーケット向けた各社のアイテム③

2016.10.28

優れた分散で美しい多彩模様 ダイフレックス

特長イメージできるカタログ準備

ダイフレックスの高い製造技術を示す製品として「ダイヤカレイド」がある。同製品は、水性シリコン系微光沢多彩模様塗料で近年塗り替えの主流であるサイディングボードの改修に優れた意匠性を生み出す特長を持つ。

一般的な多彩模様の塗料は、カプセル化した顔料を塗料に混ぜ、吹き付けの段階において多彩模様に仕上げる。このため施工者の技術や作業環境で仕上がりに差があり、施主、メーカーが求める仕上がりにならないこともあるという。一方で、同製品はフィルム状にしたシリコン系の骨材をフレーク化し、あらかじめ塗料に分散させた製品のため、カタログ通りの色彩を表現することができる。既に戸建てのリフォームに差別化できる製品として、施工業者から支持が高い。

また、製品をより理解してもらうため、同社は販促物の制作に力を入れている。これまで、一般的に塗料の製品カタログは、販売店や塗装店向けに作られていたことで、施主からは、理解しにくいという声が多かった。同社は、カタログ等を製品の特長がイメージできるデザインへ変更し、材料も施主自ら選択できる環境を整えた。

情報の発信と差別化した製品で、様変わりするリフォームマーケットに付加価値を提供する。

建築分野へ展開図る 大日技研工業

環境負荷の要因を低減化

大日技研工業では、8月21日付で中村満治氏が代表取締役社長に就任、太田幸雄前社長は取締役会長に就任した。中村新社長は「これまでの事業の流れを引き継いでいく方針で、美点である家族的社風は大事にしていきたいと思います」という。その上で、同社の主力商品である「ランデックスコート」に注力。特に建築分野への売り込みをアップしていきたいとのことだ。

同社では、埼玉工場を7月19日から埼玉県さいたま市岩槻区古ケ場の東岩槻工業団地内に移転した。新工場は敷地面積460㎡で、月産200tと製造能力を大幅にアップ。排水設備などもより完備させ、環境対策の強化を図っている。

経営面、設備面で新たな体制を構築した同社では、30年以上にわたる実績を持っている、環境対応型塗材で無機高分子バインダーを主成分とする高機能性・超耐久性・安全性に優れた「ランデックスコート」シリーズをメインに展開していく。

とりわけ、建築構造物壁面用を主体とするランデックスコート「P―5000」シリーズ、「WS疎水剤」、道路や床、スポーツ施設を彩る環境対応型塗材「R800」シリーズとして長年の実績を有し、併せて建築・土木構造物の劣化に伴う〝原材料資源〟〝エネルギー〟〝産業廃棄物〟という環境負荷要因の低減化に役立つ塗材として、市場に貢献している。

このランデックスコートシリーズに、さらなる環境負荷の低減に役立ち、優れた近赤外線高反射性を持つ無機高分子系水性遮断熱塗料ランデックスコート「スーパーエコ・体感」シリーズを上市している。同シリーズには「スーパーエコ・体感 R1000」と「スーパーエコ・体感 P―8000」の2種類がある。

スーパーエコ・体感 R1000は、優れた遮断熱性で太陽熱による高温化を防止。主成分の無機高分子シリカ系バインダーと無機質原料との化学結合で構成されているので耐久性に優れている。さらに、呼吸性・透水性、スリップ防止、強い密着性・耐摩耗性・耐水性・耐アルカリ性を有し、補修も容易である。

スーパーエコ・体感P―8000は、遮断熱性に優れ、その高い日射反射率で太陽熱による高温化を防ぎ、室内温度を下げる効果が大きい塗膜をつくる。また耐久性、耐汚染性、耐塩害性にも優れているほか、雨水を寄せ付けない超撥水性と通気性を持ち、さらにカビや結露を防止する。用途によって、遮断熱用特殊コーティング中空バルーン、特殊骨材を付与することで断熱効果も生み出す。

標準色はR1000(床・屋根用)が12色、P―8000(建築用)が9色用意されている。

自補修水性化切り開く アクサルタ

周辺&労働環境改善で選択

アクサルタ コーティング システムズは、自動車補修分野での次世代のマーケットである水性塗料製品の拡販に努めている。水性塗料に市場も反応してきており、今年、同社が塗料を供給する大手輸入車ディーラーの内製工場のベースコートが100%の水性化を達成した。また、地方のボディーショップなども周辺環境や従業員の労働環境改善のため水性塗料を選択し、先行投資に踏み切る経営者も現れている。

同社が日本で展開している水性塗料は、輸入車を含む各自動車メーカーからの認定を受ける「スタンドブルー」とユーザーからのニーズの高い「クロマックスプロ」をラインアップしている。「スタンドブルー」のベースコートは、気候条件に合わせて適切な粘度調整剤を選べるため、幅広い塗装条件の幅を確保できる。さらに乾燥性に優れる。「クロマックスプロ」のベースコートは、最新の樹脂、顔料、ディスパージョン技術が用いられている。これにより、汎用性を高め、隠蔽性に優れた塗料となった。両ブランドとも、ボディーショップの生産効率を向上させる塗装システムを提供し、補修作業の作業時間の短縮化に成功している。これは、ユーザーのスプレーブースの回転率に繋がり、収益性の向上を意味する。

作業効率という面では、多角型分光測色機「アクワイヤーRXスタンダード」も、色合わせや調色の手間を省き、生産性を高める。同測色機は、PCにインストールされた専用ソフトウェアに接続し、700万色以上のデータが自動的にアップデートできる。これにより正確な調色作業が可能となる。また、測色した実車分光反射率データをDVD内の豊富な分光反射率データと照合し、最適な配合がPC上の画面に表示される。必要に応じて修正配合も表示されるため、実車調色作業の手助けとなる。

近年、各自動車メーカーから、特殊色の車種が発表されてきており、自動車補修の現場でも色合せや調色は技術の差が表れる。測色機は、作業者の技術のばらつきを補う機器ともえ言え、今後も需要が増えそうだ。