斎藤塗料、 伸縮・柔軟性求め素材に付加価値
コロナ禍が収束しないまま迎えた2021年。さまざまな国内産業と同様、塗料・塗装業界も業績に大きな影響が出ている。自社の主要事業を守ることは優先課題であるが、新たな歩み出しも必要だ。昨年12月の高機能塗料展において、共催者でもある日本塗料工業会のブースでは会員企業による共同出展が見られ、主力製品や新製品の積極的な提案活動が行われた。
斎藤塗料は、伸縮性・柔軟性に特化した特殊塗料「ウレヒーロー ラスクリ」を紹介。同社では、顧客の細やかな要望に応え、ニッチな技術に特化した差別化商品の開発に注力してきた。その中で誕生したウレヒーロー ラスクリは特許出願中の技術で、今まで伸縮に耐えられず密着できなかったゴムなどの素材に対して付加価値を提供。「お客様の悩み事を解決できるという点でお役に立ちたいと考えております」と同社担当者は話す。
創成品の用途例で最も多いのは、柔軟性が求められる素材に対するコーティングになる。素材はゴムやスポンジはもちろんのこと、金属の曲げ加工品、合成樹脂、プラスチック類でも振動等で柔軟性が求められる商品に対して割れなどの不具合が発生しないことから高い評価を受けている。
また、ガラスにも密着する特徴から、柔軟性がもたらす耐衝撃性、飛散防止効果、またポリカーボネートに匹敵する高い透過率(91%以上)から透明度が高く、耐衝撃性にも優れた合わせガラス用素材としても注目されている。
今後の展開としては、さらに顧客の要望に合わせた少量入り目や、多くの番手の用意を検討している。例えば、同社が従来から得意としている、金属に対する防錆力を備えたウレヒーロー ラスクリのプライマー化。また、現番手でも高い耐候性を発揮するが、よりUVを吸収するタイプ。またさらには、多素材に密着する特徴を活かし、どこにでも安心して使える抗ウイルスタイプなど幅広いニーズに対応し、世の中の困りごとを解決していく。