業界同級生から本紙へエール 正陽化学工業所
山あり谷ありの連続 その先に希望の光が見える
正陽化学工業所 社長 太田周蔵氏
当社は個人商店として東京都荒川区南千住で太田義正が食酢製造販売を始めました。その後昭和21年12月に正陽化学工業所を興して酒精塗料製造販売を開始。22年5月商工省東京商工局より工業用アルコールの使用承認を取得し、26年5月株式会社正陽化学工業所に改組しました。
その後、業務拡張のため東京都足立区に土地を購入しましたが、まもなく土地の区画整理事業になり35年12月埼玉県八潮市(当時八潮村)に移転し工場を完成させました。当時は酒精塗料を都内の販売店をはじめとして全国に販売していました。
40年頃には地方の金物店および塗料販売店へ卸販売を積極的に始めましたが、時代の流れとともに塗料の用途の種類が変わり高耐候性、防かび性など耐久性が要求されるようになり、酒精塗料の販売額が減少し始めたので、卸から直売へと販売体制を変えざるを得なくなりました。
そうした中で51年に八潮市の最初の区画整理が始まり現在地に移転する事になりました。その当時の業績はまあまあでしたが、その後何年か経ち地方への販売も同業者の進出などに影響され、価格の競争で太刀打ち出来なくなり、それならば店舗販売を始めようと考えました。
店舗販売も最初は順調に売れましたが、その後ホームセンターなど大型店舗が開店し始め店売りが減少しました。そこで対策を考え、製造部門は出来るだけ専門メーカーに委託し、卸を少なくして直接販売に踏み切りました。
二代目の私は、この業界に仲間入りして気がつけば四十数年経ちました。振り返ってみますと苦しい時やオイルショック等の良い時もあり、山あり谷ありの連続でした。最近になって入札なども決まり、また鉄道関係への塗料や副資材の販売も少しずつ伸びてきて希望を持っています。
将来の展望としては①塗る塗料から貼る塗料などへの開発②カラーコーディネーターによる戸建ての色のアドバイス③他業種への参入④製造・販売・工事を強力に推進する等を考えています。
業界紙への要望としては大手企業の記事掲載はもちろんですが、零細企業も記事掲載してもらいたいと思っています。
※本内容は2016年10月27日号(4156号)塗料報知新聞社「創立70周年記念特大号」の特別企画です。