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大森翆さんの遺作展、京都で開催

2022.08.08

大信ペイントの創業者・大森豊吉氏の次女で画家として活躍されていた大森翆さんは、昨年1124日急逝された。その遺作展が、6月28日~7月10日まで京都市中京区丸太町通のギャラリーCreate洛で開催された。

大森さんは1945年(昭和20年)4月12日に大阪府千里山で誕生された。1968年に京都市立美術大学洋画科(現在の京都市立芸術大学)を卒業、その後フランス政府給費生としてフランスに留学し、ニースやパリの国立美術学校で学んだ。フランスの芸術家協会が運営し世界最古の伝統を持つ「ル・サロン展」やセザンヌ、ピカソ、ルノワールが活躍した「サロン・ド・ドートンヌ展」などで入選した。フランスを代表する色彩画家として知られているニコラ・ド・スタールの影響を特に受けた。

フランスからの帰国後は、主に画家、絵本作家として活躍。京都市立芸術大学で15年、京都造形大学で10年を含め30年にわたり、後進の指導にもあたられた。2018年秋には大型絵画6点が京都市立美術館に収蔵された。「著名な安井曽太郎や村上華岳などの収蔵される美術館の倉庫の片隅に置かれるのかと思うと身の引き締まる思い」と述べられていたという。

なお今回の遺作展は、翆さんの甥である大森剛氏が絵画作品の受託者として翆さんの遺志を継ぎ開催した。ギャラリーの1階には2000年以前、2階にはそれ以降の作品が展示された。

作品と展示会を企画した大森剛氏