アムコン、処理費減の汚泥脱水機
アムコン(神奈川・相澤学社長)は、有機・無機・多繊維汚泥に対応する産業排水処理施設向けの汚泥脱水機「ヴァルートデュオ™HRシリーズ」を発売した。同製品は、高い脱水性能を主要の部品交換なしで長期間維持するため、汚泥処理にかかるコストを削減できる。
特長として挙げられるのは、目詰まりしないセルフクリーニング機構。固定リングと上下に動く可動リングを、隙間を保って交互に積層した濾過体に、汚泥の搬送と圧密を担うスクリューを2本通した構造を持つ。モーターで可動リングが駆動し、濾過体の隙間を清掃するため目詰まりを起こさない。
2本のスクリューは濾過体内でそれぞれ逆相に回転し、スクリューの羽が詰まりやすい物質を砕きながら汚泥を搬送。繊維状物質や無機分の多い汚泥でも詰まりにくく、安定した脱水性能を発揮する。このスクリューは、1分間に約1~2回転という低速で動作するため電力消費が極めて少なく、汚泥を処理するのに必要な電力消費量は、遠心脱水機の約65%。
節水面でも優れた性能を発揮。独自のセルフクリーニング機構が濾過体の目詰まりを防止するため、大量の洗浄水を使用しない。同じ処理量のベルトプレス脱水機と比較した場合、洗浄水量は約38分の1、スクリュープレス脱水機との比較でも約4分の1で済む。
同社の従来モデルと比較して、交換部品のコストも低減。これまでスクリューの羽にならい可動リングを駆動していたが、可動リングとスクリューの金属接触を防ぐため、リング専用のモーターで可動リングを駆動。消耗部品寿命が飛躍的に延びたことと併せ、長期に渡って高い脱水性能を維持できる。
同製品は、濃縮と脱水の2つの工程を1つの濾過体で処理する一体構造のため、TS0・5%程度の低濃度汚泥でも、前段に濃縮設備を設けず直接投入が可能。濃縮設備と貯留設備の建設コスト・運転コストを削減できるほか、好気性汚泥を脱水するため臭気を軽減できる。さらに、余剰汚泥中のリンを効率よく脱水ケーキ側に回収できるため、排水処理にリンが戻ることによる負荷を軽減する。
同社では、同製品を現場でのデモを通じて、無機汚泥の多い分野へアピール。年間売上3億円を目指す。
℡045・540・8585