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バルクケミ、品質管理容易な薬剤

バルクケミカルズ・ジャパンは、アルミなど金属外装建材への粉体塗装時の前処理において現行の6価クロムからクロムフリーへの切り替えによる環境負荷低減が課題となるなかで、「E‐CLPS」シリーズに加え、新製品「クロムフリー・ゴールド」のアルミ建材市場への展開を推進している。

同社は、環境配慮型の金属表面処理薬品メーカーとして実績がある米国バルクケミカルズ社のアジア総代理店として設立され、環境配慮型の化成処理薬品のアジア市場への展開を手掛けており、RoHS指令、ELV指令により電機関連と自動車関連では6価クロムを使用しない業界自主規制が施行されるなか、同社のクロムフリー系化成処理薬品「E‐CLPSシリーズ」はその代替技術として日本のみならず中国や東南アジア圏でも採用が広がっている。

しかしながら、近年高層ビルなどに採用が増加しているアルミ合金外装建材では、クロムフリー系の薬剤は無色透明であるため、従来の6価クロムにくらべて目視での品質管理が行いづらい課題があった。これに対し、ドイツのパートナーであるNabu社が有色のクロムフリー系化成皮膜を開発し、米国バルクケミカルズ社が「Bulk Bond NB9」と名付けて世界展開を開始。特徴として、黄色を呈する有機金属が有機・無機ハイブリッド皮膜構造に組み込まれており、皮膜量の大小によって濃淡が変化する。

ドイツではすでに浸漬処理の2ラインで稼働してQUALICOAT認証を獲得している。また、最近オーストラリアで新規量産ラインがスタートした。日本においても小型のパイロットラインが昨年7月から稼働し、大型ラインでの量産に向け国内のアルミ建材塗装アプリケーターと共同で試験を継続しているとのこと。
『塗料報知』2016年10月7日号(4154号)掲載

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