大同塗料、防錆剤浸透の含浸材開発
大同塗料は、コンクリート構造物の長寿命化に貢献する鉄筋腐食抑制材を新たに開発した。「アクアシール1400AR」としてアクアシール会を通じて全国販売を行う。
吸水防止層及び非腐食環境の形成システム
これまでも同社では、コンクリートの吸水防止剤としてシラン・シロキサン系表面含浸材アクアシールシリーズを展開。今回の開発品は、4~6㎜になる厚い吸水防水層に加え、防錆剤がコンクリート内部に浸透し鉄筋の腐食を抑制する。この防錆剤の浸透が新製品の大きな特長である。吸水防水層による水や塩化物イオンの侵入の阻止と、浸透性防錆剤による2つの機能により腐食を防ぐことで、防食性能が向上した。既設構造物にも適用可能で、既に塩化物イオンが浸透したコンクリートに対しても効果を発揮する。
アクアシール1400ARは、現在上市されている浸透性コンクリート保護材の中で初めて防錆剤のコンクリートへの浸透度の定量化を行い、非腐食環境を形成していることを明らかにした。また、一般的なシラン系表面含浸材に比べ、高粘度・高濃度に設計されており、1回塗りとなる。塗布量は0・23㎏/㎡となり、無溶剤のため有効成分が100%の材料である。
耐久性も15年以上の耐久性が実証された既存製品「アクアシール1400」がベースのため、同等に期待できる。アクアシール1400は、2008年に上市され、北海道の寒冷地を皮切りに全国に広がっていた。
新開発のアクアシール1400ARの設計価格は、3600円~(㎡単価)。既存のアクアシール1400(標準仕様)より2割ほど高い設定となっている。担当者は「塗装の塗り替えに比べ、ライフサイクルコストでは2分の1の費用で構造物の維持ができる」と話す。
同製品は、NEXCO中日本のグループ会社である中日本ハイウェイ・エンジニアリング東京と共同開発され、効果検証を行った。なお、中日本ハイウェイ・エンジニアリング東京では、NEXCO中日本の構造物案件に対し「アクアシール防錆剤プラス」として使用する。
℡06・6308・6288