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JFEスチール、塗装寿命延長鋼板を開発

JFEスチールは、普通鋼と比較して塗装の塗替えまでの期間を2倍以上延長が可能な厚鋼板(商品名:『EXPAL™』)を新たに開発した。塗装後に高い耐食性を発揮し、厳しい腐食環境下にある鋼構造物におけるライフサイクルコストの低減に寄与する。また、同鋼板は国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)にも登録されている。

今回開発した鋼板は鋼に微量の耐食元素を複合的に添加し、さらに圧延条件を適正化することにより従来のJIS G3106(SM鋼)と同等の機械的性質を維持しつつ、従来鋼と比べて塗装後に高い耐食性を得られる。大気腐食を模擬する腐食試験法に基づいた試験でも、C-5塗装系において長期の塗膜膨れの予測を行った結果、普通鋼と比較して2倍以上延命できることが確認されている。

厳しい腐食環境下において使用した場合、普通鋼が一般的に約30年に1回の塗替えが必要なところ、本鋼板の場合は塗装寿命を約70年まで延長することが可能とのこと。同鋼板は、橋梁に用いられるJIS G3101(SS鋼)、JIS G3106(SM鋼) 、JIS G3140(SBHS鋼)の各規格を満たす。また、橋梁のみならず、沿岸域に設置される建機、産機、タンクなどへの塗装寿命延長効果も期待できる。現在、同社の東日本製鉄所(京浜地区)構内の自社貯蔵タンクへ適用し、すでに建設を行っている。

同社は「今後も、高機能・高品質な鋼材の供給を通じて、橋梁、建機、産機のさらなる安全性、経済性、信頼性向上に努めるとともに、地球環境の保全に貢献し、お客様や社会の多様なニーズに積極的に応えていく」と述べる。

C-5塗装系を施した鋼のライフサイクルコストの概念図
(普通鋼のイニシャルコストを1.0とした場合)

 

腐食試験によるC-5塗装系の塗膜膨れの長期予測結果

 

腐食試験後のC-5塗装系の塗膜膨れの外観