神戸製鋼所、橋梁塗替え周期1・5倍に
神戸製鋼所(神戸市・山口貢社長)は、塗装とのマッチング機能を備えた高湿潤環境対応型耐食鋼板「エコビュー プラス®」を鉄鋼業界で初めて開発し、商品化したと発表した。また、同製品は2月20日付で国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)に登録された。
近年、社会インフラの老朽化が急速に進展する状況下で、計画的な維持管理の推進が求められるなか、腐食損傷比率が大きい鋼橋では、耐久性の高い材料の活用や、構造改良による腐食環境の改善が課題となっている。
そこで、当社は、橋梁用鋼板のひとつであるロングライフ塗装用鋼板「エコビュー®」に、Ta(タンタル)、Mg(マグネシウム)、REM(希土類金属)を適量添加した「エコビュー プラス®」を開発。鋼自体の高耐食化(Ta添加効果)に加えて、ジンクリッチペイント中の腐食生成物の緻密化による環境遮断効果(Mg添加効果)や鋼材塗膜界面の保護作用効果(REM添加効果)が得られ、高湿潤環境下でも塗装弱点部からの腐食進行を抑制することが可能となる。
同社では「エコビュー プラス®」の特長を活かした提案活動を通じ、同社グループのマテリアリティのひとつである『安全・安心なまちづくり・ものづくりへの貢献』を推進していく」としている。
なお、塗料も高耐久化しており、防食下地にジンクリッチペイントを用いる重防食塗装が鋼橋に使用されるようになっているなか同製品は、重防食塗装の劣化メカニズムに着眼し、鋼材と塗装成分とのマッチングにより、従来の該当JIS規格をすべて満足した上で塗膜下腐食抑制機能を高めた鋼材である。
橋梁の腐食環境は不均一であり、腐食進行が速い桁端部材に全面塗装塗り替えタイミングが依存すると仮定した場合、「エコビュー プラス®」を鋼橋の桁端部に適用することにより、従来鋼に比べて塗装塗り替え周期が1・5倍に長期化できる。