三菱ケミカル、バイオマスと耐久性両立
三菱ケミカルは、植物由来のポリカーボネートジオール(PCD)「BENEBiOL™(ベネビオール™)」を独自の製造技術で開発し、展開している。
ベネビオールは、おもにポリウレタン樹脂の主原料として使用されており、用途としては、ウレタン塗料やポリウレタンエラストマー、合成皮革等がある。また、バイオマス由来原料を含む独自の構造を持つことで、柔軟性と耐久性の両立、耐UV性、耐加水分解性、耐薬品性などの優れた機能をポリウレタン樹脂に付与することができる。それにより塗料の耐久性が向上し、外観劣化を防ぐため、建材の外観をきれいに保つことに寄与する。結果としてバイオマスかつ耐久性に優れるという特長を合わせ持つ。

各グレードの特徴
昨年10月には、同製品のバイオマス比率を高めたグレードの提供を開始。これまで、既存グレードのバイオベース度は20~50%が中心だったが、今回のHSSおよびNLDSグレードでは80%以上を達成した。また、石油由来であった一部のグレードにおいてもバイオマス化を実現し(NLSグレード)、同製品の全てでバイオグレードの提供が可能となった。
なお、同製品は、昨年4月11日に青森県青森市にオープンした「ローソン青森中央高校前店」の内装仕上げ用塗料に採用されている。同製品がローソンの店舗に採用されたのは「ローソン帯広西21条南四丁目店」に続いて2回目となる。
今回オープンした「ローソン青森中央高校前店」では、CO₂排出量の削減と地域活性化を目的に、店内の壁や天井・軒天部分に青森県産の木材が使用されており、その仕上げ用塗料としてベネビオールを原料とする塗料が採用された。本塗料は、木材に柔らかであたたかみのある質感を与えている。
ベネビオールの担当者は「例えば木材利用の推進など、今後環境に配慮した取組みが社会的に求められるなか、素材の観点で課題解決に貢献できればうれしい」と今後の展望を話す。