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日本ペイント、光硬化型1液タイプパテ

日本ペイントは12月19日から、自動車補修用分野で光硬化型1液タイプのパテ「nax UVライトベール」および同製品の周辺商品「nax UV照射機・nax UVライトベール用スケール・nax UV保護メガネ」の販売を開始した。同製品は、作業効率化や鈑金塗装業界における労働力不足、環境および各種法令対応への貢献を目指し開発した新工法のパテである。

nax UVライトベール

 
自動車補修において下地処理は、素地調整・下地塗料(パテ)の塗布・パテ研磨を含み、塗装面の仕上がり外観に影響する重要な作業。このうち、凹みを埋めるために使用されるパテや、鈑金塗装業界において3点の課題があった。1点目の課題はパテの塗布から研磨までの作業効率。パテは一般的に主剤と硬化剤を混合する2液硬化型のポリエステル樹脂系が多く使用されており、2液型は混合後から硬化が始まるため可使時間に制限があることから、塗装工程では素早く作業をする必要がある。また、乾燥工程では常乾および強制乾燥に時間を要する。研磨工程ではパテ乾燥後の体積収縮により凹みが残らないよう、一般的にポリエステルパテを凹みに対し厚く盛り、乾燥後に削る工法が用いられているため、不要箇所の研ぎ作業に時間がかかる。2点目は昨今の鈑金塗装業界の労働力不足。3点目は各種法令対応および作業工程全体での環境負荷低減の課題がある。
 
これらの課題から、塗装作業の効率化や、各種法令および環境負荷低減に対応した製品へのニーズが高まっており、同社では顧客ニーズに応えるべく同製品を開発した。

工法と作業時間の関係

 

工法の比較

 
「nax UVライトベール」の特長は、作業効率化と労働力不足に対応する「光硬化型1液タイプ」かつ「通年対応」。光を遮る環境下では硬化しないため、可使時間を気にすることなく作業が可能で、従来の2液硬化型ポリエステルパテと比較し、UV照射のため乾燥時間の削減が可能。薄付けしながら重ね塗りが可能なため、研ぎ時間を少なくすることができる。また、可使時間が長く、経験が少ない作業者でも簡単に塗装が可能である。最大膜厚5㎜/回(硬化時間30~60秒/100?)で、パテの重ね付け(パテ・オン・パテ)が可能。さらに、同製品は通年使用が可能なため、在庫管理の効率化に貢献する。
 
各種法令対応や環境負荷低減に貢献する「環境対応型設計」となり、PRTR制度への届け出が不要。また、加熱を伴う強制乾燥が不要なため、乾燥工程におけるエネルギー消費を大幅に削減し、二酸化炭素の排出量削減に貢献する。
 
℡03・3740・1488(マーケティング本部マーケティング部)