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水谷、第3の硬化システム開発

硬化システムのメカニズム

水谷ペイントは、屋根用の2液型水系塗料「ルーフピアニ」を4月より新発売する。同製品は屋根用の水系でありながら耐久性、付着性、乾燥性に優れる特徴を持つ。屋根用塗料のマーケットは、耐候性や付着力、乾燥性等の問題により水性化が進まず、いまだに溶剤系塗料のシェアが高い。今回発売される新製品は、2液タイプにすることにより、前述の諸問題の解決を図り、さらには価格とのバランスを重視した製品となっている。

ルーフピアニには、同社が開発した世界初の水系2液硬化システム「System M」を採用している。現在、特許申請中の同システムは、非イソアネート系の樹脂で構成される。エポキシ樹脂やウレタン樹脂を使用した硬化システムが主流である中、第3の硬化システムとなる。

これまで水系の2液の硬化はエマルション粒子が大きく、エマルション粒子間で架橋することが多かった。つまり、架橋が不均一になる。一方、新システムではエマルション粒子内でも架橋することで、均一で完成度の高い塗膜が形成される。荷姿は、A液(主剤)15kgに硬化を促すB液0.3kgとなる。

ルーフピアニには硬化システムだけでなく、金属面への対応や付着性を向上させる同社技術「高極性セグメント」を導入している。これにより基材と下塗り、下塗りと上塗りが穏やかにゆっくりと結合する技術を取り入れている。

製品名の由来は「roof=屋根」、「peony=牡丹」である。牡丹の花言葉は「王者の風格」。同製品が花言葉のように「屋根用の水系で王者を目指す」ことから名付けられた。同社はルーフピアニの上市により、屋根用塗料市場の水性化に挑む。