水谷ペイント、一挙4新製品を上市
撥水性と透湿性機能が継続する外装塗料
来年100周年を前に、水谷ペイントの製品ラインアップの拡張が目立つ。4月1日には、一挙上塗り2製品、下塗り2製品を上市した。
外装用の「ユーロテックス」は、ドイツの水系樹脂(=ラテックス)とシリコーンレジンエマルションを採用した撥水性と透湿性機能が特長の塗料となる。これまでの撥水性機能には、表面を凸凹構造に設計する手法やフッ素系添加剤を活用する手法があった。しかし、塗膜表面の変化や風雨により添加剤が流れ出るなどにより持続しにくいというデメリットがあった。同製品が採用したシリコーンレジンエマルションは、シリコン成分量が一般のシリコン塗料に比べ約7倍以上。その高密度のシリコン成分により撥水基を3次元撥水構造にすることで、塗膜が剥がれるまで撥水性を保持する。サビ汚れや無機成分の汚れに強く、同じく透湿性能についても効果が落ちないと言う。また、耐候性についても独自のハイラジカル制御技術により、長時間色褪せない塗膜を形成する。意匠性においても完全艶消しで高級感のある仕上がりとなる。
同製品は、北海道・東北地区で先行販売していたが、この4月に全国へ販路を広げた。既にユーザーを対象した製品説明会を実施し、「九州などの温暖な地域からも反応が良い」と担当者は話す。続く窯業系サイディングボード専用クリヤー「水系アシストクリヤー」は、水系が強みである同社に、サイディングボードのクリヤー塗装に高品質の水系が加わった。クリヤー塗装により、紫外線を通さず外壁の劣化を防ぐ。さらに、一般的なクリヤーと比べ、白化しにくい点も優れる。一般的にクリヤー塗装で厚く塗装された部分は濁り、白化しやすくなると言う。しかし、水系アシストクリヤーでは白化しにくいという実験結果を得ている。
下塗りでは、難付着性外装用下塗り「高密着シーラー」と屋根材用サフェーサー「ハイパーサーフ」を上市。高密着シーラーは、窯業系サイディングでの光触媒や無機・フッ素塗料で施されている基材への塗替え時の下塗り製品である。こうした耐候性のサイディングは、密着しにくいという欠点があった。同製品は、無機付着ユニット、有機付着ユニット、補助付着ユニットの3種類のユニットが、下地成分に応じて優れた付着力を示す。
ハイパーサーフは乾燥性に優れ、4時間乾燥を誇る。乾燥性が改善した理由には、一般的な顔料より細かいマイクロパウダーを使用したことで、液体の塊部分も小さく分散でき、乾燥も早くなる仕組みにある。このマイクロパウダーの使用は作業性にも影響し、滑らかな塗装作業で、高い塗着効率が得られる。
℡06・6391・3039