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星和電機、銅の成膜技術を共同開発

RX Japanは、10月29日からの3日間、幕張メッセにおいて「第7回塗料・塗装設備展(コーティングジャパン)」を開催した。ここでは、編集部が注目した企業、製品サービスを「ブースレポート」として紹介する。

超抗菌性HEPAフィルター&アンモニア除去する活性炭

賑わいを見せるブース

星和電機は、数年前から〝銅の成膜技術〟において工学院大学との共同開発を進めている。これまで大学側との共同研究による技術確立に向け、その過程を楽しみながら進めてきた。

今回展示会で紹介された注目製品は、超抗菌性HEPAフィルターとアンモニアを除去する活性炭の2種類。同製品は現在まだ開発中であるとのこと。超抗菌性HEPAフィルターは、複雑形状のフィルターへの抗菌・抗ウイルス性能が付与されている。90℃以下の低温プロセス、塗布プロセスにより大面積や複雑形状のフィルターへ成膜が可能となっている。また迅速で高い抗菌性を持ち、JIS規格や日本銅センターの認証を受けている。各フィルターは銅でコーティングされており、どこにウイルスが付着しても不活化できるのが特徴。医療用としての利用等が考えられ、今後のウイルスの流行に備える製品である。

アンモニア除去の活性炭は、高いアンモニア除去能力を持ち、既存の活性炭に銅のコーティングが可能で、高い表面積を利用したアンモニア除去活性炭である。初期の研究結果では、銅でコーティングされた活性炭が高い吸着性能を示し、アンモニアを効果的に除去することが確認されている。

この技術は下水処理場や産業廃棄物処理場でも活用が期待されている。

市場のニーズ調査し製品化へ

展示会では、多くの来場者から技術や性能、コストについての質問が寄せられた。特に技術的な側面についての質問が多く、真空プロセスなど、銅のコーティング方法に関する関心が高いと感じられた。また技術開発部門で自社の製品にプラスアルファの機能を持たせたいなどの問い合わせも多かったとのこと。

素材Weekの中から特に塗料・塗装展を選んだのは、同社が成膜の技術を1番コアな部分としている点にある。
今後、この技術はさらに幅広い分野での応用が期待されている。現在は市場のニーズを調査中であり、展示会で得られたフィードバックを元に、他企業とのマッチングを図りながら製品化を進めていく予定。

この技術が市場に広がることで、さまざまな産業分野での課題解決に貢献できると期待されている。

【2024CJT 注目ブース(ブースレポート)】

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