シンキ―、分散機を新発売 ナノ材料を均一に
シンキーでは、今までなかった超音波バス式の分散専用機、自転・超音波ナノ分散機「分散ナノ太郎」PR‐1を新発売した。
カーボンナノチューブ(CNT)などのナノ材料は、凝集しやすく、研究者泣かせの材料として知られている。同社が開発した「分散ナノ太郎」PR‐1は、超音波バスの底面と側面の2方向から超音波を照射すると同時に、斜め45度に傾いた容器が高速で回転するデュアルソニック方式(特許取得)で、ナノ材料を均一に分散することが可能。
既存の超音波バス式の装置は、超音波「洗浄機」としての位置付けであり、分散専用ではなかった。同機は初の分散専用の超音波バス装置として開発された。
特許取得のデュアルソニック方式により、材料中に対流が生じ、超音波が材料全体に照射されるので、効率的な分散処理が可能。特長は、デュアルソニック方式により、分散むらが生じにくく、高い分散再現性が得られる。
密閉容器内で処理をするため、安全に作業を行うことができる。バスの水温が管理温度の上限に達すると一時停止し、管理温度幅まで冷却されると再開する「水温管理プログラム」が設定可能。
密閉容器内処理のため、直接照射によるエロージョン(振動面の浸食)がなく、超音波ホモジナイザーのようにホーンの買い換えをする必要がない。
密閉容器内処理のため、コンタミの発生も抑制することができる。現状では、CNTの他に、カーボンナノファイバー、グラファイト、酸化グラフェン、タルク、シリカなどの事例がある。