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「炎のオブジェ」低汚染フッ素塗料で塗り替え

アサヒビールのグループ本社ビル(東京都墨田区吾妻橋)の隣にある「スーパードライホール」屋上に、かの有名な「炎のオブジェ」がある。海外からの観光客も集まる浅草に近い吾妻橋から、スカイツリーと同オブジェが同時に写真におさめられるため、この地域の有名なアイコンでもある。

塗り替えられた「炎のオブジェ」


同オブジェは昨年9月から塗装改修工事を行い12月中旬に完工し、美しい輝きで戻ってきた。塗装工程は、下塗り、中塗り、上塗り(ゴールド2回)の4回塗り。神東塗料の塗料が使用され、上塗りは4フッ化の低汚染形フッ素樹脂塗料が採用されている。

本オブジェの塗装の留意点は「さびることなく美しい外観を長期に維持する」ことにある。したがって、建設時には下塗りにジンクリッチペイント、上塗りには、フッ素樹脂塗料を用いた重防食塗装系を適用していた。そして、塗装改修にあたっては、建設時の塗装外観を再現することと、旧塗膜との付着性などを考慮し事前試験による確認後、塗装仕様を決定していった。

1989年に創業百周年記念事業として竣工した同オブジェであるが、塗り替え塗装は2005年以来の2回目。1回目の塗装を行う前は、ロッククライマーが年に1~2回のサイクルで、清掃していたという。しかし、塗装改修工事の際に、低汚染機能を有する塗料を使用したことで、清掃は不要になっていた。今回も上塗りには、効果を発揮した低汚染機能塗料を採用している。

ちなみに塗り替え色の選定について、アサヒグループホールディングス・広報担当者に聞くと「建設時に使用した上塗り塗料(ゴールド)のデータをもとに塗料メーカーで色相を再現しました。また、少し異なる色調も提案していただき、その中から本オブジェのコンセプトに沿ったゴールドの色調を選定しました」とのこと。

お正月から参拝客、観光客で賑わう浅草。そこから隅田川向こうにある同オブジェのユニークな形状とゴールドの輝きが、人の目を惹きつける。

上塗り塗装前

上塗り1回目の塗装

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