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東京塗料会館、デザインペイントで内装一新

日本塗料工業会、日本塗料商業組合、日本塗装工業会の3団体からなる塗料塗装普及委員会は10月10日、東京都渋谷区恵比寿にある塗料会館の1階エントランスやロビー等の内装を塗り替え、記者団に披露した。このプロジェクトを「東京塗料会館ペイント リノベーション2017」と称し、今後は塗料・塗装を発信する場として有効に活用していくという。

before

after

デザインはフォーアーツデザインのヨザン弥江子氏が担当。施工は9月29日から約10日の工期で日塗装の会員10名程が入れ替わり施工した。デザインのコンセプトとして、塗料会館は日本を代表する建物と位置づけ、日本の色彩、紋様、文化的背景を組み合わせ、デザインペイントの可能性を取り入れた。例えば、エントランスや階段ホールでは、平安時代の色彩構成をデザインに入れ、エレベーターホール壁面には「紅緋」、エントランスホール壁面には「紅色」を使用した。

さらに、このプロジェクトのミッションは、塗料・塗装団体のコラボレーションにより、相互関係の信頼や強みをアピールすることにあるという。「団体がまとまることで、社会へ何ができるかを強く発信できる」とヨザン氏。そのミッションを表現しているのが、ロビー(会議室外側)壁面のデザインで3団体を象徴する三角形を用いてペイントされた。三角形は「製・販・装」の協調を表し、グレーの濃淡で施された背景は静かでありながらリズミカルな空間を演出する。

塗料塗装団体の「製・販・装」の協調をイメージ

また、このプロジェクトには“教育”という観点もあり、日本の伝統色や紋様、デザインペイントの技法を宿している。例えば、日本の色名を壁面に記載したり、伝統的な紋様である「両滝縞」や「青海波」をデザインペイントで描いている。

地下会議室へ繋がる階段

使用した色名を日本名で記している

青海波は広い海がもたらす恩恵を感じさせる柄で、無限に広がる波の紋様「未来永劫の願い」と「人々の平安なくらしへの願い」が込められた縁起の良い柄とそれている。

青海波のステンシルを作成しデザインを塗装に落とす

デザインペイントでは塗装を行った担当者の名前を署名する

ヨザン氏は「塗料は自由自在に個性を出せる材料です。また、デザインと塗装が重なれば塗装の価値は上がっていきます。既にデザインに対応する腕をお持ちなので、この場所を外部に発信して塗装をもっとPRしてほしい」と語る。また、日塗工担当者も「この場をペイントライブラリーにする案もあり、一般生活者に語りかけるキャンペーンも今後検討していく」と話す。

日塗装メンバーが養生、下地調整、下地塗装、デザインペイントと担当した

外からも見えるようデザインされている。日本の塗料・塗装の発信地として活用していきたいとのこと