【製品寄稿】フレキシブルな漆喰塗料ー関西ペイント
1.はじめに
関西ペイントと関西ペイント販売では、長崎大学熱帯医学研究所の安田次朗教授(新興感染症学分野)による指導のもと、漆喰塗料「アレスシックイ」の抗ウイルス機能実証試験を行っていたが、このほど試験結果の報告と、併せて高機能フィルムや不織布などに塗工できるフレキシブル(弾性)漆喰塗料「アレスシックイモンティアート」についての展開を発表した。
高い抗ウイルス効果 やわらかい素材へ適応可能に
アレスシックイは、主原料である消石灰の効果により、強アルカリの性質を持つ。この特長を生かし、人への病原性を有するあらゆるウイルスに対し、抗ウイルス効果を長崎大学熱帯医学研究所で、代表的な4種類のウイルス(①イヌパルボウィルス(類似ウイルス:ノロウイルス/ロタウイルス)②水疱性口内炎ウイルス(類似ウイルス:SARS・MERSコロナウイルス/エボラウイルス③ウシ丘疹性口炎ウイルス(類似ウイルス:ヘルペスウイルス/天然痘ウイルス④インフルエンザウイルスH3N2A香港型)を用いて実証試験を行った。
約7カ月にわたる検証試験の結果、アレスシックイは①~④全てのウイルスに対して、高い抗ウイルス効果が認められたとのことである。
こうした効果を有するアレスシックイに、柔軟性を持たせ、柔らかい素材にも適応可能とした漆喰塗料「アレスシックイモンティアート」を上市した。同製品は、消石灰を主成分とした水性塗料で、消臭、抗ウイルス、抗菌、VОC吸着、結露抑制といった従来の漆喰塗料と同じ機能を有し、かつ各種素材(各種繊維、紙、不織布、塩ビシート、PETフィルムなど)との適性を向上させたもの。工場でのライン塗装(強制乾燥タイプ)も可能になっている。
同社では、このアレスシックイモンティアートをタペストリーに全面塗布した「アレスシックイタペストリー」の販売を開始。好みの写真やデザインを印刷した、消臭効果や抗菌・抗ウイルス機能のあるタペストリーが、1枚から製作できる。面倒な塗装は不要で、場所を取らず、気分に応じて手軽に掛け替えられるタペストリーで、指定サイズ(幅0・6m×長さ0・9m、幅0・9m×長さ1・5m)での加工が可能である。
同社では、新たな視点での快適生活提案塗料と位置付け、生活者の家庭内価値向上につなげていくとしている。
※本寄稿は2016年10月27日号(4156号)『塗料報知』の「創立70周年記念特大号」に掲載された内容です。