【工場レポ】マルシン アルミ建材塗装大規模工場
マルシン(埼玉県・近藤旭社長)は、建材・装飾金物の焼付塗装から建築塗装の現場補修まで幅広く手掛けており、なかでもアルミニウム合金建材の塗装においては、工場施設の規模と品質の高さにおいて国内でもトップクラスの実力を誇る。主に手掛けているのは溶剤系の焼付塗装であるが、粉体塗装についても、建物外壁用アルミ建材向けにいち早く導入している。
松伏工場は1997年に新設された拠点で、塗装前処理から塗装、さらに調色まで一貫した作業体制を持ち、粉体塗装設備も導入された大規模工場となっている。
松伏工場の特色のひとつが、大型の化成処理槽を備えていること。この処理槽では、主に塗装の前処理工程における6価クロムの化成皮膜処理を行っている。長さ8mもの被塗物にも対応可能となっており、建物外壁などの大型かつ複雑な形状の部品であっても、処理には完璧を期することができる。また、前述のとおり、現状では主に6価クロムを使用しているが、土壌汚染防止と排水処理には十分な配慮がなされている。あわせて、その余裕のあるキャパシティを生かし、メーカー等の依頼を受けてのクロムフリー系薬液での処理実験をたびたび行っており、将来の環境対応型の塗装前処理への道も開拓しつつある。
同工場では一つの塗装ラインで溶剤塗装と粉体塗装の双方を手掛けている。特に粉体塗装においては、AkzoNobel、FineShine、JOTUN、TIGER Drylacといった日本進出の海外粉体メーカーのすべての塗装ライセンスを持つという、数少ない企業となっている。あわせて、アルミニウムの優良塗装品質の基準を提供するための粉体塗装を中心とした規格認証システム「QUALICOAT」も取得しており、各塗料メーカーライセンスの最高グレードが自動的に更新される仕組みとなっている。
松伏工場では、塩水噴霧試験機や糸状腐食試験用キャビネットをはじめとする各種の塗膜用試験機を導入している。その理由を近藤社長は「コーターの立場から塗膜性能のデータを蓄積したい」とのことだ。
◆会社概要◆
会社名:株式会社マルシン
設立:1966年(昭和41年)10月
所在地:
松伏工場
埼玉県北葛飾郡松伏町田島東1-1(東埼玉テクノポリス内)
草加工場
埼玉県草加市青柳2-11-39
事業内容:建築・装飾金物の焼付塗装加工等
資本金:8,000万円
代表者:代表取締役社長 近藤 旭
従業員数:65名