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Sotas、化学業界のAI活用 化学物質調査の作業性向上も

素材産業において環境対応等のニーズの多様化や、開発競争の激化に加え、人材不足やコスト削減等により素材開発の変革が求められている。化学産業ではマテリアル・インフォマティクスをはじめとした新しいソリューションの提案が浸透しつつあり、化学産業はDXAI技術を活用した開発が進み始めている。

キーワード

素材のプラットフォーム、AI、DX、化学調査、化学判定・法令更新、chem SHERPA、NITE CHRIP

塗料製造の開発のDX、AIを活用する

塗料・コーティング等の製品開発向けにも、AIを搭載したデジタル技術による提案が行われている。Sotas(神奈川・吉元裕樹代表)は、化学品に特化した①開発の工程管理、②材料素材データベース、③化学調査を展開。年々採用企業数を増やしてきている。同社は化学メーカーでもキャリアを積んだ吉元氏が2022年に設立したスタートアップ企業である。累計資金調達6億2,000万円を達成し、化学系スタートアップの中でも注目企業の一つだ。脱炭素社会の鍵を握る化学業界に特化したサービスを提供することで、素材のプラットフォームをつくり、サプライチェーンの変革を目指している。

同社は化学産業の課題として、情報の流動性を挙げる。化学商材においては情報の分断が起きており、汎用品一つをとっても購買の比較ができていない。また、開発品においてもサンプル1個を開示するにもスピードが遅くビジネスチャンスが損なわれていると捉え、情報共有のスピードを上げることで、化学産業の停滞を打破できるとも説く。

そこで同社では、化学品に特化した3サービスを順次リリース。採用件数もバージョンアップと合わせて増やしてきた。その一つとして「Sotas化学調査」を取り上げる。

資料ダウンロード | Sotas株式会社



このサービスは、化学物質の「化学判定・法令更新」をクラウドで自動更新されるもの。開発品や製品の化学物資の可否判定を自動で行える。混合物、成形品の管理も階層構造での管理が可能のため、塗料やコーティング材料においても活用できる。国内法令だけではなくREACHRoHSといった海外法令にも対応している。

では、同サービスを利用するとどのような効果が見込めるのだろうか。主に「作業効率の向上」「属人化の解消」「データの信頼性向上」が挙げられる。「作業の効率化」で言えば、今までの表計算ソフトからの脱却はもちろんのこと、同サービスの検索性により作業時間が大幅に削減できる。

「属人化の解消」では、化学品法例判定を行う事業部として一般的に品質保証部が担当するが、法令判定は専門のスタッフによる運用で進めているケースが多いという。理由として化学法例には体系があり歴史を把握しているベテラン社員が登用されることがあったからだ。同サービスの利用により誰でも運用が可能なため、専門スタッフのノウハウに頼らない安定的な運用が行える。

そして、「データの信頼性向上」においては、「chem SHERPA」「NITE CHRIP」とのデータ連携による成分・法令更新が自動アップデートされる。これまで化学調査担当者が抱いていた「参考にしている規制物質のリストは最新なのか」という手探りの不安も解消できる。

化学物質の閾値に応じた配合比率も手計算で行っているという企業には、同サービスにより大幅な業務改善が見込まれる。サービスを利用することでAI技術により登録が簡便になるシステムも組み込まれている。

化学調査は、一般的に品質保証部門が行うのだが、数千人規模の事業者では、スタッフを5人~10人を当てて担当している。本来ならQCDを回す仕事がメインになるはずだが、昨今の法規制の変更が頻繁な状況では、法令判定の時間に取られることが多い。化学調査を効率化することにより、本来の業務に集中できる。

塗料・コーティング材を開発する際にも、化学判定にかかる時間を短縮できることだろう。かつ、化学品規制の変更で既存品の原材料代替が必要になった際にも役に立つ。

サービスの価格は、10ユーザー月10万円から。コスト削減効果が見込める体系になっている。Sotasは、直近1年の目標をサービスの浸透としており、1028日からの幕張メッセで開催する「サステナブルマテリアル展」に出展。中期的の目標として、3年を目途に素材のEコマースまで事業を広げたいとしている。

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