東京大学×ホンダカレッジ、ラリーモンテカルロに挑戦
TeamMUSOH(東京大学とホンダ テクニカル カレッジの共同チーム)は、2018年1月末にモナコのモンテカルロで開催される「ラリー・モンテカルロ・ヒストリック2018」に参戦する。
ラリーに参戦する車種の一つが「スバル1300G」。1970年代の車で、レストアして車検を通すまでを主に担当したのがホンダ テクニカル カレッジ。東京大学はスポンサーとの折衝やラリーカーへの変更、当日の戦略等を担当する。
レストアにあたった、ホンダ テクニカル カレッジのチームは11人編成で、ボディ3人、エンジン3人、シャシ(エンジン以外の部品担当)3人、電装2人でそれぞれの担当別にフルレストアを行った。車検を通す当日は4度の整備修正を余儀なくされ10月末に無事車検を通した。
今回ボディ塗装には、アクサルタ コーティング システムズの水性塗料(スタンドブルー)が使用されている。同社はこのプロジェクトに材料を提供するスポンサーで1950年から1960年まで販売されていたスバルのオリジナルカラーサンプルパネルを準備し、3種類のホワイト系の塗色を選定した。今回、材料提供を行う際には、長年アクサルタが保存しているスバルのカラーマスターピースから最新技術の水性ベースコート用に配合・調色を行った。当時は溶剤塗料を使用していたが、水性塗料に変換する配合データも同社は持ち合わせていたという。最終的に、TeamMUSOHはボディカラーに「キャスレホワイト」を選択した。
ホンダ テクニカル カレッジでは塗装の授業はなく、ボディ塗装は初めてだったとのこと。当然学校には塗装ブースやガンもないため、生徒達はアクサルタの宇都宮研修センターで、水性塗料の塗装の研修を受けた。担当の教員も水性塗料の塗装は初めてだったが「溶剤に比べてもミストが馴染みやすかった」と話し、生徒も初めての経験ながら全塗装することができた。
ボディほかの作業では、「スバル1300G」は日本では流通期間が短く、部品の調達に苦労した。劣化が激しい部品については、海外からネットで調達した。後継の「レオーネ」が海外でスバル1300Gよりも長く流通していたことから、代替できる部品を探した。また、最終的に足りない部品はスポンサーから適合品を調達したり、生徒自身でつくるなどした。
スバル1300Gは水平対向エンジンを搭載しており、普段の授業で見たこともなく触れるのが初めて。マニュアルもなく構造を確認しながら作業が必要で苦労したという。このプロジェクトは通常授業後の作業がほとんどとなり、夜中まで作業が続いた。
なんとか車検を通したスバル1300G。11月には日本で行われたラリーにテストのため出場した。今は、2月の本番に向け準備を進めており、12月には欧州に輸送されることになっている。1300GTの他にもこのチームでは2車種を準備しており、ドライバーは元三菱自動車ワークス・ラリードライバーの篠塚健次郎氏等で調整している。
このプロジェクトは学生教育プログラムの一環として行われており、フルレストア、ラリカー仕様への変更、国内のスポンサーへの営業・折衝、海外との調整、そしてラリー当日と授業では得られない経験を学生達は積むことになる。
↓TeamMUSOHの最新情報↓
東京大学×ホンダカレッジ、ラリーモンテカルロに挑戦