CCUS登録技能者126万人に
CCUSは、2019年4月の本格運用から3年が経過した。2023年度から原則義務化されたこともあり、順調に登録者数を伸ばしている。一方で、建設産業専門団体連合会(建専連)が技能者の処遇改善に向け動き始めていた矢先、国土交通省(国交省)が建設技能者の職種別、レベル別年収を公表。実際との乖離に現場は困惑しており、課題が多く残っている。
建設業振興基金は9月11日、建設キャリアアップシステム(CCUS)の8月末時点の登録技能者数を発表した。登録者数は累計126万1944人で、前月から約2万人増加。一人親方を含めた事業者は23万7366人となった。一人親方は8万人弱が登録していると推定される。(区分変更を行う場合があり正確な数字は不明)2023年度の新規登録現場数の累計は2万3614件、就業履歴数の累計は2123万2530件に達した。
都道府県別にみた登録技能者数は、東京都が最多の12万4172人。続いて、神奈川県9万1812人、大阪府9万682人、埼玉県8万5218人、愛知県7万8552人の順となっている。登録者数が少ないのは、鳥取県4936人、和歌山県5010人、高知県6190人、徳島県7171人、山梨県7315人等であった。
建設技能者の保有資格・社会保険加入状況や現場の就業履歴などを業界横断的に登録・蓄積して能力評価に活用する仕組みとして、国土交通省は6月16日CCUSにおける建設技能者の職種別、レベル別年収を公表している。
建設塗装の場合、レベル1(見習工相当)372~625万、レベル2(中堅技能者相当)434~713万、レベル3(職長相当)481~803万、レベル4(登録基幹技能者相当)549~858万と、レベルに応じた年収を示したもの。
公表された金額は義務ではないとしているが、実際に支払われている金額より相当額多い設定がされており、今後の混乱について不安視する声も多い。人材不足や若手入職者を増やすため国交省が掲げる新3K(給与・休暇・希望)。実現への取組みが必要とはいえ、理想と現実の差を埋める対策の余地もありそうだ。