1~3月ロボット統計、受注・生産大きく減少
日本ロボット工業会(山口賢治会長)は、「ロボット統計受注・生産・出荷実績2024年1~3月期(会員ベース)」を発表した。受注額が前年同期比24%減少、生産額が同25%減少とともに大幅な減少に歯止めがかからず、生産額の下落率マイナス25%は四半期としては直近の10年で最も大きい割合となった。
国内向けの出荷をみると、自動車製造業向けが溶接用の増加で微減にとどまったが、電気機械製造業向けが半導体用の減少等で大幅減となった。輸出は中国向けが勢いなく、実装用では勢いを見せていたインド向けに加えて欧米でも大幅減、溶接用も全体で大幅減となった。減少が続く半導体用も復調の兆しは見られない状況だ。
新型コロナウイルス感染症や地政学的緊張などの各種リスクにさらされる中で世界的に拡大した自動化需要であるが、年が明けてもなお、一部用途での投資先送りや、世界経済の先行き不透明感が成長見通しに重くのしかかる状況が続いている。
塗装用途ロボットも全体統計同様に厳しい状況であった。国内出荷数は、165台で対前年同期比13・2%減、輸出は440台で同25・0%減、総出荷は605台で同22・1%減であった。
受注・生産・出荷の各状況は以下の通り。
▽受注=受注台数3万6859台(前年同期比34・9%減)【6四半期連続の減少】、受注額1582億円(同24・0%減)【6四半期連続の減少】
▽生産=生産台数3万8353台(同34・7%減)【5四半期連続の減少】、生産額1626億円(同25・0%減)【4四半期連続の減少】
▽出荷=総出荷台数4万535台(同31・7%減)【5四半期連続の減少】、総出荷額1732億円(同21・5%減)【4四半期連続の減少】、国内出荷台数1万763台(同13・8%減)【4四半期連続の減少】、国内出荷額530億円(同4・1%減)【2四半期連続の減少】
▽国内出荷内訳/電気機械製造業向け=出荷台数3508台(同14・8%減)【3四半期連続の減少】、出荷額164億円(同12・1%減)【3四半期連続の減少】、自動車製造業向け=出荷台数3373台(同10・2%減)【4四半期連続の減少】、出荷額161億円(同1・4%減)【2四半期ぶりの減少】
▽輸出内訳/電子部品実装用=輸出台数2419台(同9・7%減)【10四半期連続の減少】、輸出額427億円(同10・6%減)【9四半期連続の減少】、溶接用=輸出台数6782台(同31・6%減)【2四半期連続の減少】、輸出額169億円(同29・8%減)【2四半期連続の減少】