日塗工、平成29年度3Q観測アンケート発表
日本塗料工業会(田堂哲志会長)は平成29年度第3四半期(29年10~12月)の業種別動向観測アンケート(集計31社、前年同期金額比)の結果を発表した。
第3四半期の販売金額は道路車両新車が前年同期比5・5%増、機械・電気機械・金属製品が同4・9%増とともに良く、建築が3・8%減、木工製品は2・3%減とともに低調だった。建築資材は1・2%増、トラフィックペイントは1・0%増とやや良く、船舶・構造物は0・3%減でほぼ横ばい。自動車補修が1・7%減、家庭用が3・1%減で低調だった。
メーカーのコメントは次の通り。
▽全体=「前四半期同様に自動車新車、機械、電機、金属の各分野が牽引し前年同期を上回る。建築業界における若手の担い手不足と熟練工不足が切実な課題」
▽建築・外装=「改修繁忙期を直撃した10月後半からの天候不順と例年より早い冬の訪れ(12月の降雪)により大きく影響を受けた。マンション改修も延期する物件が目立った」
▽建築資材=「住宅建材分野は新築住宅着工件数微減、季節生産調整など、需要減傾向が伺える。その中にあって窯業系建材は比較的好調、アルミ建材も堅調に推移」
▽自動車新車=「国内生産台数は昨年比(3Q)で103%程度の模様。中国等向けの輸出半製品売上が増加。トラック関連需要が好調。内装プラスチック用塗料は若干のマイナス」
▽自動車補修=「安全機能付自動車の普及と若年層の車への関心薄れにより入庫台数は減少。市場の縮小が続く。大型車の架装分野需要は底堅い」
▽船舶・構造物=「船舶:新造船は工期遅延や低船価影響で売上低迷。構造物:塗り替え橋梁工事は依然低迷。建築用鉄骨資材の下支えが続く」
▽機械・電気機械・金属製品=「建機、農機、工作機械など需要好調。鋼製家具は需要が昨年並みに戻りつつあるが、鋳鉄管は引き続き停滞。建材向けは堅調も輸出変動の影響で横ばい」
▽木工製品=「景気持ち直しが緩やかに見込まれる状況にあるが、住宅、木製家具ともに依然として低調。厳しい状況が続く。需要伸びず先行き不透明。原料高も懸念材料」
▽家庭用=「10月は台風、長雨の影響で需要はやや低迷。11、12月も低温の影響を受け消費は振るわず。女性層向け新商品が好調で売り上げ伸ばす。当面は底堅く推移か」
▽トラフィックペイント=「舗装関連工事発注が持ち直し、アスファルト合材の出荷量が前年比105%と伸び、区画線工事が増えてきている。年度末の繁忙期に向け上向き傾向である」