2025年度需要予測、微増の124万8千t
日本塗料工業会(若月雄一郎会長)は3月13日、「2024年度需要実績見込」と「2025年度需要予測」を発表した。2024年度の需要実績見込を前年度比3・8%減の123万7千トンと見込んだ。2025年度の需要予測については、同0・9%増の124万8千トンとした。
2024年度の需要実績見込みについて日塗工では、「船舶分野の堅調さはあるものの、その他分野の低調傾向が鮮明であり、前年を下回ると予測。単価は上昇するも、円安による原料高、人手不足、建築コストの高止まりや、さらには2024年問題による運搬費上昇の影響もあり数量減を見込んだ」とコメントしている。
各分野が低調に推移するなか、船舶分野は、海運業界の好調な業績を受け造船需要は活況で、大型、小型ともに新造船向け塗料出荷量が堅調であった。路面標示は、おもに東京都などの公共事業を中心に発注が増加し、前年並みの売上を維持も、トラフィックペイント等の低調により微増という結果であった。
建物は都市部再開発の進行や大阪・関西万博関連事業等の建設投資の増加も見られたが、全般的には消費マインドの冷え込みが目立ち、特に戸建リフォームの不振で数量的にやや前年割れを見込んだ。
2025年度の全体の需要予測については、微増の予測となり、前年度の低調傾向からは未だ脱せず、全体的には予断を許さない状況としながら「電気機械・機械・金属製品など工業関連はわずかながら回復傾向で、粉体や機能性塗料市場の成長も見込まれる。ほぼ前年度維持を予測するがさらなる回復を期待する」としている。
その中で「家庭用」は、賃上げ機運の高まりから、個人消費を取り巻く環境が良好な状態となることに期待。ホームセンター需要の増加も見込み、販売増加を予測。「金属製品」も粉体塗料が引きつづき旺盛な需要の継続が期待され、その他新規獲得案件もあり、販売数量は前年を上回るとした。また、「建物」も人手不足や資材価格の高騰の継続は懸念されるとしながらも、都市部を中心とした大規模再開発需要が堅調に推移し、リフォーム市場や断熱塗料などの機能塗料の拡大に期待して増加傾向を予測している。
なお、2025年度需要予測の算出根拠(メーカーコメント参照)については、下図の通り。