船舶・構造物が順調、 第1四半期業種別動向観測アンケート
日本塗料工業会(毛利訓士会長)は2022年度第1四半期(4~6月)業種別動向観測アンケート(日塗工会員31社集計、前年同期金額比)の結果を発表した。
業種別で、船舶・構造物が前年同期金額比11・9%プラス、建築資材が同10・8%プラス、道路車両の補修が同10・3%プラス、建築が6・4%プラス、機械・電気機械・金属が3・6%プラスと上回ったが、トラフィックペイントは同0・2%マイナス、木工製品は同3・2%マイナス、家庭用は同5・9%マイナス、道路車両の新車は同7・4%マイナスとなった。
メーカーコメントを見ると、船舶・構造物では、コロナ禍後の新造船需要の回復、官需、プラント向けが順調に推移したことをプラス要因に挙げた。
また、建築資材では、窯業建材用塗料などの郊外戸建て住宅需要の好調、道路車両の補修では、高付加価値製品販売増や中古車市場の活況、建築では、改修工事物件の回復や値上げ効果の奏功をプラス要因として挙げている。
一方で、トラフィックペイントは民間需要の減少、木工製品は原料価格の高騰や好調の兆しのあった輸出の円安による低調、家庭用では巣ごもり特需の反動、道路車両の新車は上海のロックダウンや半導体部品供給問題が顕著に影響し、塗料受注の減少になったことをマイナス要因として挙げた。
日本塗料工業会では総じて、原料価格の高騰や円安、ウクライナ情勢や上海ロックダウン等国際情勢不安の影響により、全体的には需要減となり、値上げの効果により金額的にはやや増加となったが、今後の見通しは不透明と分析した。