ABB、工程短縮、塗着効率改善で世界的評価
自動車分野で塗着効率の改善した技術が急速に進展している。
ロボット塗装のソリューション技術を持つABBのノンオーバースプレー技術「PixelPaint」は、IERA賞(Innovation and Entrepreneurship in Robotics & Automation Award)を受賞した技術(2021年)。
同技術は、インクジェットヘッド技術を用いて、ツートンカラーやデザイン性のある車両の衣装模様を1工程の塗装で表現できる技術となる。塗着率は100%となり、無駄なオーバースプレーをなくすことができる。このことで、工程短縮と廃塗料の削減を実現する。
ツートンカラーの例を挙げれば、塗装工程が2回から1回となり、マスキング工程も必要ない。一般的にマスキングには1シフトあたり10~20人のオペレーターが必要となり、2色目を塗布した後のマスキング剥離にも2人を要する。一方、PixelPaintを採用することで、マスキング工程そのものをなくし、省人化を達成する。
この効率化に併せ、塗着効率の大幅な改善により、塗膜にならず廃棄されていた塗料が削減できる。 また、塗着効率の改善は、ブース清掃の時間や稼働率も高めることになる。