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丸紅、燃費改善効果検証プログラム

丸紅は9月17日、新サービス「低摩擦塗料による燃費改善効果を確認する効果検証プログラム」を発表した。これにより、費用の負担なく船底塗料の品質グレードアップが図れ、今までと同じ船底塗料の価格で最高クラスの低摩擦塗料に変更できる。また、燃費が削減できた際には、燃費削減額の一部の享受により、EU-Allowance(排出枠)への支払削減や、船舶の格付け向上にも貢献する。
 
燃費削減効果の確認方法は、中国塗料が提供する燃費解析プログラム(CMP-モニタリング&解析プログラム)によっている。
 
プログラムに入力する事項は、燃料消費量、航進時間、対地航進距離、平均速力、風力など。プログラムにより算出される事項は、塗料変更前の(一般的塗料)平均航行速度(過去平均速度)における燃料消費量、低摩擦塗料塗布後の航海における燃料消費量、低摩擦塗料塗布による使用燃料削減率。

生成される燃費削減率のイメージ


 
同プログラムを使用することで、より明確な形で効果を確認することができ、運航条件に合わせた適切な算出方法で燃費改善効果が確認可能になる。同社がこのサービスを開始した背景は、環境保全が強く求められるようになった近年においても、CO2排出削減に寄与できると考えられる製品の採用が進んでいないケースがあり、その理由が追加費用をかけても効果が出ない可能性がある、船舶管理の予算が足りない、といった事情があることを知り、Scope3のCO2排出削減にも貢献したいと考え、販売支援・導入支援策を考案したもの。
 
塗料の効果が万が一出なかった場合のリスクを丸紅が取り、本サービスを提供することで、これまで採用されにくかった低摩擦塗料の使用を推進し、IMOが掲げるGHG排出削減目標を達成するための船舶の燃費改善に寄与することができるとしている。