抗ウイルス塗料・コーティング市場広がる
CMFの主材料になる塗料・コーティング。特に塗料・塗装は、カラー、マテリアル、フィニッシュのバリエーションを高めることができる。カラーは言わずもがなだが、マテリアルでは、被塗物の素材感を変える特徴を持ち、触感(ソフトフィール)塗料がその代表格である。ほかにも、光輝材仕上げや、めっき・ミラー調塗料も素材を一変させる。さらに、抗ウイルスのような機能性の追加も塗料・コーティングの役目となる。抗ウイルス機能の例では、建材の工業製品に広がっている。
日華化学は、同社の抗菌防臭・抗ウイルス加工技術を応用し、ニトリと共同で抗菌防臭・抗ウイルス効果を示すダイニングセット「アルナス DF」シリーズを開発している。 ニトリのダイニングセット「アルナス」に日華化学の抗菌防臭・抗ウイルス加工剤「ニッカノンRB‐40」を塗布し、木製部分(テーブル天板・チェアの背もたれ・ベンチの取手)上の細菌の増殖を99.99%抑制し、特定ウイルスの数を99%以上減少することを確認している。また、両社の技術融合により、通常塗装と変わらない、無垢集成材の風合いを感じることのできる仕上がりを実現している。抗菌防臭・抗ウイルス効果は、塗膜がなくならない限り、持続するという。
YKK APは、住宅用引違い窓のオプション部品として、抗菌・抗ウイルス加工を施した「クレセント」「サポート引手」を展開している。新築住宅へのオプション採用や、既存住宅に設置されている引違い窓の操作部品の取替えを行うことで、製品を清潔に保ち、快適で衛生的な環境づくりにも役立てることができるとPRを続けている。昨今、新しい生活様式においては「こまめな換気」が推奨され、換気・衛生意識の高まりに繋がっており、窓を開閉する回数や頻度も増加。そのような背景から、人の手が直接触れる部分に抗菌・抗ウイルス加工を施した操作部品を発売した。対象製品は、住宅用引違い窓の操作部品のうち「クレセント」「サポート引手」で、SIAA(抗菌製品技術協議会)の抗菌加工および抗ウイルス加工の認証を取得している。クレセントはノブとクレセントロックに、サポート引手は操作引手に塗装を行い、製品の表面上における細菌の増殖を抑制する抗菌加工と、製品上の特定ウイルスの数を減少させる抗ウイルス加工を施している。