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名古屋工業大学,金属塗装工程の短縮技術を開発

名古屋工業大学は16日、生命・応用化学専攻の高須昭則教授が、高性能化と省エネルギー化を実現する新しい金属塗装過程を開発したと発表した。

電気泳動析出は、材料を塗装するための一般的な工業手法のひとつであり、特に防錆に使用されている。現工法では、塗装工程が3工程必要なため、コストと時間を要する。

今回、高須教授の研究チームは、新しい非イオン性ポリマーを電気泳動析出に利用することで、1工程のみで高い防錆性を担保できる塗装に成功し、大幅な省エネを実現した。

この新しい非イオン性ポリマーは、オパール石のような構造色を示し、粒子自身は無色で、粒子のサイズを変えることによって色を制御できる。また、粒子自身が無色のため、色落ちや紫外線による退色などの心配がなく、より広範な用途で利用が可能。今後は自動車や繊維などでの活用が期待されるという。

発表プレスリリース

発表雑誌
雑誌名:Polymer
論文タイトル:Electrophoretic non-ionic nano-spheres (latexes) for structural coloring
著者:Daiki Mokude, Akinori Takasu*, Masahiro Higuchi
DOI番号:10.1016/j.polymer.2017.04.019