平等院鳳凰堂、鉄の装飾品に金を塗装
世界遺産である平等院鳳凰堂(京都府宇治市)の天井付近にある鉄の装飾品から金の成分が検出され、当時の塗装技術によって鉄に金を塗っていたことがわかった。
平等院によると、一昨年、鳳凰堂内部の天井の保全作業をしていたところ、住職が天井近くの鉄の装飾品の表面に金色の物が付いているのを見つけた。専門家が詳しく分析したところ、装飾品から金の成分が検出された。
これまでの通説では、鉄の表面に金を塗るのは素材の性質上難しいとされていたが、分析を担当した東京文化財研究所の早川泰弘副所長によれば、「極彩色で装飾された鳳凰堂で鉄の部品だけがそのまま使われていたとは考えにくく、何らかの工夫をして金を塗っていた可能性がある」とのこと。
なお、この装飾品に金が塗られた年代はわかっておらず、早川副所長は「鉄の部品に金がどう乗るのか今後検証する必要がある」という。