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千島土地の地域創生・社会貢献事業

2022.08.08

キタイチパークの壁画(作者:borutanext5)

 

大阪には数々の産業遺産があるが、名村造船所大阪工場跡地もその一つである。時代の変化とともに、かつて造船業で栄えた大阪・北加賀屋は、工場の移転や高齢化による空き地・空き家問題が深刻化した。

そこで北加賀屋を拠点に不動産賃貸業を営む千島土地(芝川能一社長)は、まちに活気を取り戻すため、名村造船所大阪工場跡地をアートを切り口に活用する取り組みを2004年から始めた。2008年には地域創生・社会貢献事業部を、2011年にはおおさか創造千島財団を設立した。

2009年に「北加賀屋クリエイティブ・ビレッジ(KCV)構想」を提唱して取組みを北加賀屋のまちに広げた。これは遊休不動産をアートによって活用し「芸術・文化が集まる創造拠点」に変えるものである。芸術・文化活動を通じて訪れる人も、住んでいる人も元気になるような街にしたいという考えが根底にある。

現在、北加賀屋には壁画やパブリックアートなど30を超える「アートスポット」が点在している。直近の話題としてアーティストのborutanext5さんは、5月から6月にかけて「キタイチパーク」という公園(住之江区北加賀屋1~7~10)に壁全面を使った壁画を制作した。鮮やかな色彩が印象的である。borutanext5さんは、昨年秋に大阪市東淀川区で行われた「淀壁」の壁画制作に参加した。その時使用した大信ペイントのペイント「アクティグロス」が塗り易くて気に入り、今回も画材として指定した。

 

普段は収蔵庫に保管されている大型現代アート作品

 

街角のユーモラスな壁画

 

千島土地は、7月6日~11日まで会社設立110周年記念事業として千島土地コレクション「TIDEー潮流が形になるときー」を企画し、同社の所蔵する美術蒐集品の一部を特別公開した。

メイン会場は元家具店舗をギャラリーとして再生した「kagoo」だった。そのほか、ー鋼材加工工場を大型現代アート作品の収蔵庫として活用する「MASK(MEGA ART STORAGE KITAKAGAYA)」、元造船所の倉庫をアーティストやクリエーターの複合施設として改修した「Super Studio Kitakagaya(SSK)」なども特別開館した。

また名村造船所大阪工場跡地の一部を改修した「クリエイティブセンター大阪」では、現代美術のアートフェア「ART OSAKA 2022 Expanded」が開催され、日本初となる大型作品やインスタレーションに特化した新設セクションを開設した。同展示会は大阪中央公会堂でも同時開催された。

 

名村造船所大阪工場跡地の一部を改修した「クリエイティブセンター大阪」

 

「ART OSAKA 2022 Expand」出展作品