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意匠で見せる塗料のチカラ

グッド・ペインティング・カラー 色合いで心地良さを

グッド・ペインティング・カラー委員会(構成団体:日塗工、日塗商、日塗装)主催の環境色彩コンペティション「第21回(2018年)グッド・ペインティング・カラー」受賞作品の最優秀賞は、新築部門では「東京ベイ東急ホテル」、改修部門では「コンフォール清水ヶ丘」に決定した。

新築部門の「東京ベイ東急ホテル」は20185月にオープン。内装は、フロアなどの共有部分が、あたかも美しい海底にいるかのようにデザインされ、あわせて客室も〝空と海のストーリー〟が織りなす世界を体感でき、もう一度訪れたくなる気分にさせる。また、外観も新浦安地区の大型遊園地に近い立地に合わせた、白が基調の洒落たデザインにされた。
これら内外装とも半分以上が塗装で施工されており、塗料の意匠性が存分に発揮されている。

改修部門の「コンフォール清水ヶ丘」は、改修前はクール系のベージュ色とブルー系アクセントで、やや冷たく寂しい印象を与えるマンションであった。
そこで、改修にあたっては「寺院の多い丘の上のまち」として、風格のある穏やかな建物を目指し、外壁部分に自然や周辺に馴染むベーシックカラーであるYR色相のブラウン系とホワイトカラーを使用。マンションの多面的な形状にあわせて塗り分け部位やコントラストを効かせた配色を行い、質の高い個性的なデザイン性を与えている。あわせて、対象4棟それぞれを同色で風格を高めつつ各棟の個性も演出されている。

ベーシックな色彩でも、塗装ならではの塗分けで建物を魅力的に仕上げることに成功している。

東京ベイ東急ホテル(新築部門 最優秀賞)

コンフォール清水ヶ丘(改修部門 最優秀賞)

 

オートカラーアウォード 幅広シーンに合う色

日本流行色協会主催の「オートカラーアウォード2018」でグランプリに輝いたのが 本田技術研究所の「NVAN(エヌバン)」。「商用車であるが乗用車のCMF(カラー、マテリアル、フィニッシュ)デザインの『差』ってあるの?」というテーマに人とクルマの関係性を突き詰めて創り上げた。

エクステリアはガーデングリーン・メタリック。これまで、商用車のバンと言えば、白かグレーが定番であった。商用車は乗用車と違い多様に色が設定できない。エヌバンの開発には社内には「新しい色を設定する必要があるのか」とも言われたことも。そこで、配送やマルシェ、花屋にホビーと幅広く使われる軽バンに、人を中心に使われるシーンから色を抽出した。結果、グリーン系の塗色は幅広いユーザーに体験価値を提供できるナチュラルカラーにすることで、顧客が合わせられる色とした。このように新色を作ってから、人に訴求するのではなく、はたらく車を共通項に様々な使用するシーンの人を想定し、色を選び出した。

なお、インテリアは「積む・運ぶ」に拘った、気持ちよく使い倒せるデザインとなっており、インテリアカラーは「ブラック」である。

審査委員からは「これからのモビリティは個人が愛着を持って所有するものと、他と『シェア』して共有するものとの2つの方向がある。今回エヌバンが展開したグリーンは、まさに後者で多様なシチュエーション、また性別、年齢などに関係なく幅広いユーザーにマッチする、新しいニュートラルカラーと言える」とグランプリの受賞理由を話す。

 

本田技術研究所「N-VAN(エヌバン)」

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