WEB塗料報知|塗料・塗装、コーティング業界のプラットフォーム

Sea Japan2022、4年ぶりの開催で賑わう

コロナ禍の影響で4年ぶりの開催となった国内最大の国際海事展「Sea Japan2022」(インフォーマ マーケッツ ジャパン主催)が4月20日から22日までの3日間、東京都江東区有明の東京ビッグサイトで開かれ、出展社数350社、1万8千人を超える来場者を集めた。

14回目を迎えたSea Japanは、オンラインツールを導入したプラットフォーム「Sea Japanオンライン」が新たに設置され、オンライン上での出展社と来場者間のマッチメイキングや、商談などが可能になり、リアルとオンラインを掛け合わせたハイブリッドでの開催となった。
  
地球温暖化対策をはじめ世界規模での環境保護対策が急務となっている中、日本でも国土交通省によって国際海運ゼロエミッションに向けたロードマップが策定され、2080年までの「ゼロエミッション船の商業運航」を目指して、業界を挙げた取組みが展開されている。一方で、海事産業が抱える海難事故の減少、個人輸出入の拡大による貿易ニーズの増加、労働環境改善、労働力不足等の諸問題に対応すべく、自律運航、自動運行、遠隔検査、IoT・AI等デジタル技術を活用したDXの推進も業界にとって欠かせない課題となっている。こうした背景から、テーマを「ゼロとデジタルの世界へ」とし、出展各社が造船、海運、舶用機器のそれぞれの分野でのゼロエミッションとDXに関連する取組みと最新技術や戦略を紹介し、海事産業にとっての環境保護対策とデジタル化に関する可能性を探る展示会となった。 塗料関連からも出展があり、各社自慢の技術や製品、展開するサービスなどを来場者にアピールした。

▽中国塗料=新製品として5月より発売された「シープレミア1000PLUS Z」を筆頭に展開した。同製品は独自の亜鉛アクリル樹脂技術により開発されたシープレミア1000シリーズの新製品として開発され、新世代の亜鉛アクリル樹脂技術とSelektope®を組み合わせた内航船向け亜酸化銅フリー船底防汚塗料として、長期間にわたり超平滑塗膜と優秀な防汚性能を維持する。 このほかに「SEAFLO NEO CF PREMIUM」は、亜酸化銅・スライムフリー、低燃費に貢献する高性能防汚塗料で比類なきパフォーマンスを見せる。内航船向けの低燃費防汚塗料の「シープレミア3000Plus」、外航用環境対応加水分解型船底防汚塗料「SEAFLO NEO М1PLUS」、薄膜型ショッププライマー「CMP セラゼウス」、モニタリング&解析プログラム「CMP―MAP」などもアピールした。

中国塗料ブース



▽アクゾノーベル(International Paint事業部)=最も環境に配慮した船底マネージメントサービス「Intertrac®HullCare(インタートラック ハルケア)」をアピールした。同サービスは、持続可能なソリューションと効率性の向上を求める海運業界の先進的なニーズに対応するため、船底部の状態を制御することで、船舶の効率性と環境性能を求めながら、同時にコストの削減を達成できるような、より良い意思決定を可能にする。

アクゾノーベルブース



▽PPG PMCジャパン=「シグマセイルアドヴァンスNX」を展示。同製品は、CSP樹脂を用いた耐摩擦タイプの船底防汚塗料シグマセイルアドヴァンスシリーズの最新作。防汚技術の大きな進歩を遂げ、ファウリングに対して最大限の船体保護を提供するため特別に開発され、燃費効率の向上とCO2の節約も実現し、その結果、総運用コストが削減され、IMOカーボン対策へのコンプライアンスが向上する。ほかにも、シリコン防汚塗料「シグマグライド」、耐摩耗性・衝撃性強化エポキシ塗料「シグマシールド」、タンクコーティング「フェンガード」、低摩擦・自己潤滑型船底防汚塗料「シグマセイルアドヴァンス RX・GX」を展示した。

PPG PMCジャパンブース



海洋環境規制対応で高い技術を見せる船舶用塗料。年々規制が強化されるなか、特に防汚効果によって航行中の抵抗を抑え燃費を向上させる船底塗料への期待は引き続き大きい。本紙6月7日発行号では「船舶用塗料市場特集」を組み、船舶塗料の動向を探る。